哲の漫画評

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ARMS皆川亮二5点
特殊な能力を持ち、生まれながらに悲惨な運命を背負わされた高校二年生・高槻涼と その仲間達が運命の呪縛から脱出するために巨大で謎だらけな組織に戦いを挑む。
終盤「RPGでなかなかラスボスに辿り着けず長いダンジョンを延々プレーさせられてる気分」に なってしまいしんどくなってしまいました。序盤は大好きだったのですが。

赤ちゃんと僕(全18巻)羅川真里茂9点
父子家庭の榎木家。父親は仕事で忙しいから、まだ小学5年生の拓也が赤ん坊の実の面倒を見なければ ならない。でも、実はちっとも拓也の言う事をきいてくれない。拓也の苦悩の日々は続く。
泣かされた回数数知れず。最終回は僕も何も見えなかったよ。「いってらっしゃい」だよ。 兄弟姉妹がいる人はいろいろと楽しめる作品かも。 各キャラがしっかり立ってて非常によろしいです。個人的に槍溝さんがたまりません。 中学生の槍溝さんも見たかったなー。

アクメツ(全18巻)脚本:田畑由秋、作画:余湖裕輝9点
日本に蔓延る悪を、殺して殺して殺しまくる、史上最悪の悪役主人公が、暴力を通して民主主義を問う!? かもしれない、そんな漫画(笑。『コミックマスターJ』のコンビが送る、『J』を越える問題主人公が 暴れまくりな超問題作。
とにもかくにも「ここまで描ききった」というところに感嘆します。 『コミックマスターJ』でもそうでしたが、やるだけやって最終的には 「当然の事を(恥ずかしがらずに(笑)キッパリと言い切る」その潔さには感服します。 何処かで見たような人達が出てくるのもなかなか楽しいですが、これはチャンピオンだから出来た 業なんでしょうか?(笑 政治家も官僚も有権者も皆がこれを読んで何かを感じてくれれば、と思う。 なんてのはさすがに言い過ぎか?(笑

あずまんが大王(全4巻)あずまきよひこ7点
そのへんにいそうでいないイカした女子高生と女教師(一部男教師)達が紡ぎ出す 時に微妙に、時に絶大に笑わせる4コマ漫画。
各キャラそれぞれ味があってイカしてます。その各キャラの味を活かして 「笑いの守備範囲の広さ」を持っている印象を個人的には抱いています。 あずま先生のセンスの成せる業なんすかねぇ。

アニメがお仕事!(全7巻)石田敦子8点
広島から上京してきた双子のイチ乃と二太は駆け出しのアニメーター。二人は厳しい現実と闘いながら、自分達の好きなアニメのために、今日も素晴らしい作品を作ろうと励む。アニメ業界漫画と思わせつつ、仕事とはそういうものだというある種普遍的な部分が大半を占める青春群像劇。
作者の石田敦子さんは今更説明不要な元アニメーターさんですので、何処までがリアルなのかと想像すると、かなり切なくなってきますが、業界違えど仕事は何処も大変なもの、だったら夢を追う方がいいのではないか?という気持ちにさせてくれます。 夢と理想と現実と人間関係の狭間で揺れ動きながらそれでも自分達の想うところへ達しようと励むキャラ達に感動すること間違いなし。

妖しのセレス(全14巻)渡瀬悠宇8点
羽衣伝説の天女を先祖に持つ女子高生、御景妖。妖が天女の血を濃く受け継いでいることを知った御景 一族は妖の抹殺を図る。追いつめられた妖はセレスと名乗る天女に変身。恐るべき力を発揮する。さらに セレスは妖の双子の兄、明を羽衣を奪った男の生まれ変わりと言い出して話はややこしい方向へ。
要は「男女愛し合えば子供が生まれる」ということか(笑。 そんな当たり前の話をがっちり描ききった渡瀬先生に感服。

いいひと。(全26巻) 高橋しん 8点
新人サラリーマン北野優二がそのすさまじいまでの「いいひと」ぶりを発揮して様々な問題を 解決していくお話。
ええ話のオンパレード。どの話にも泣かされたような気がしますが、 全編通して言えることは、北海道に残してきた妙子ちゃんとの付き合い方が素晴らしい、 というか感動というか。妙子ちゃんもホンマにええ娘ですな。 どこの話が良かったか、ときかれれば、LC、MAXPORT、翼を下さい、なども好きですが、 やっぱ神戸編ですね、神戸人としては。しかも野球が好きなもんで。あれは本気に泣きました。 まだまだ神戸は復興には程遠いです。けれど、あの話がちょっとでも励みになれば、 全国の人にそのことをアピール出来ればなあ、と思いました。

いきばた主夫ランブル(全1巻)星里もちる8点
ある日突然、職を失った工藤直人は、同棲相手の信崎千明に食わせてもらうかわりに家事をすることに なるが…。
家事の大変さを改めて感じた。もうすぐ下宿生活を終えようとしているこの時期にこの作品を 読めたことは非常に喜ばしいことだと思う。たった9話なのに各キャラが立っているのはさすがと いうべきか。『りびんぐゲーム』以降の作品へのステップを感じることが出来た。 秀作だと思います。

行け!稲中卓球部(全13巻) 古谷実 8点
今更説明不要、変態だらけの稲豊中学卓球部が活躍するギャグ漫画。
ギャグ漫画も学園漫画も大事な要素のひとつに「各キャラが立っていること」というのがあると 思うのですが、『稲中』はそれが見事にハマっていたと思います。 下ネタだらけだが面白い。そして時に哲学的なことを見せる古谷先生の手腕は見事。

うしおととら(全33巻)藤田和日郎10点
中学生の蒼月潮は、家の蔵に封印されている妖怪の封印を解いてやる。うしおはその妖怪に「とら」と 名づける。獣の槍を操るうしおと最強の妖怪とら。彼らは戦い続ける。どれだけ過酷な運命が 待っているとも知らずに…。
とにかく泣かされまくった作品。一巻に一回は泣けるところがあったんでないかと思うほど。 思い出しただけでも涙が出てくる感動のエピソード達。『ブランコをこいだ日』、 涙が止まらなかった。他には、とらの「『長飛丸』と呼ぶんじゃねえ。オレは『とら』だ」って セリフがかっこよかった。心に残るセリフが多いということは、名作だということだろう。 どのキャラも、みんな、素晴らしくて、心に強烈に残ってる。 ただ、ヒロインの一人である麻子が 終盤目立てなかったのは気の毒だった…。真由子に 全部持ってかれちゃってたもんね…。設定上しゃあないけど。

H2(全34巻)あだち充9点
千川高校野球部エースの国見比呂と明和第一高校野球部のスーパースラッガー4番サードの橘英雄、 そして千川高校野球部マネージャーの古賀春華と明和第一高校弓道部で比呂の幼なじみかつ英雄の恋人 である雨宮ひかりの4人を中心に展開する高校生青春物語。
あだち先生の凄いところは「あだち節」というか「あだちスタンダード」というか、 「あだち充」であることで読ませるところにあるのかなと。 球の行方も、恋の行方も見逃せない。とりあえず「ひかり最高!!」てことで。
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エアマスター(全28巻)柴田ヨクサル8点
巷で噂の「飛ぶ」ストリートファイター、「エアマスター」こと相川摩季。 元・体操界の若きホープだった彼女は、その夢を失った後、ただ無心で戦い続ける、 女子高生ファイターとなっていた。彼女の先に待つものは?
とにかくどのキャラも濃いです。立ちまくり。前作『谷仮面』と合わせて、「戦う」とは? 「人とは?」そして「愛とは?」と問い続ける、暑苦しさ全開の格闘漫画。アニメの崎山香織は 土井美加さん珠玉の演技で泣けます(いやマジで(笑)。

エマ(本編7巻+番外編3巻)森薫9点
19世紀末ロンドン。上流階級の商家の長男である青年ウィリアムは、かつて家庭教師をしてもらっていた ケリーの家で働くメイド・エマに恋してしまう。許されぬ身分違いの恋。二人の間に立ち塞がる 父、家族、フィアンセ…。やがて二人は、それぞれの階級から、世界を変えていく!? 産業革命期のイギリスをすんばらしい画力としっかりした脚本で描いていく ブリティッシュロマンス(って何?(笑)。
森先生は、作品中の世界を作り上げるのが物凄く巧いというか、街並や建物の空気感の再現度が 素晴らしいと思います。そしてその中で動くキャラ達が本当に生き生きしていると思います。 近年希に見る漫画家としての才能に溢れた人だと思います。 本編最終回の最後のページは、胸が詰まりそうになるぜ!? ちなみに単発刊行された『シャーリー』もオススメです。

エンジェル伝説(全15巻)八木教広8点
悪魔の顔と天使の心を持つ高校生・北野誠一郎とその仲間達による愛と友情と笑いの人情物語。
最初はただのギャグ漫画だった。北野君の容姿風貌にビビる周りの人々が面白かった。 しかし、気が付くと、北野君の純朴で澄み切った心に幾度となく感動する漫画に。 八木マジックにタジタジです。出来れば、卒業式まで見たかったなぁ。
キャラ名鑑

遠藤浩輝短編集1遠藤浩輝7点
アフタヌーンで『EDEN』を描いてる遠藤浩輝先生の短編集。 オクテな女の子が凶行に走っちゃうドス黒ステキ物語『きっとかわいい女の子だから』 、DVカップルを中心に繰り広げられる劇団青春物語『神様なんて信じていない 僕らのために』が秀逸。
遠藤浩輝短編集2遠藤浩輝7点
短編集第二弾。機械になっちゃったお兄さんとブラコン妹と兄妹知り合いの野郎が 「世界の果て」を目指してエッチしたりしながら旅をする儚げ物語 『Hang』、「これはフィクションなのかノンフィクなのかどっちだ?(笑」と 訊きたくなる、上京漫画家が「青春時代」を振り返る物語『女子高生2000』が秀逸。 (2002/10/6)

おひっこし(全1巻)竹易てあし(沙村広明)8点
主人公が惚れた女にゃ彼氏がいたが、その彼氏は青年海外協力隊でザンビアへと 旅立ってしまった。今がチャンスと頑張る主人公とそれを楽しみつつも見守ったり 巻き込まれたりする仲間達。『無限の住人』の沙村広明が送る人が死なない 青春群像劇っていうか実はただのギャグマンガ?(笑
とりあえず沙村先生は天才デスカ?と問いたくなる頭の悪さぶっちぎりぶりが イカしつつもしっかりラブコメってていい感じです。 同梱の『涙のランチョン日記』はもっと頭悪いですが「漫画描くならこれくらい せぇや」という先生の意気込みが伝わってこなくもないこともない作品で おもろいです。(2002/8/14)

オールナイトライブ(全6巻)鈴木みそ9点
漫画家・鈴木みそが世の中の様々な問題にツッコミを入れる。『あんたっちゃぶる』『大人のしくみ』などでおなじみの、熱くてアブナイ魂の叫びが炸裂。
とりあえずこの人の作品は無駄な知識と社会への提言がいい感じで好きです。

オムライス(全5巻) 星里もちる 6点
再就職活動中の今井光はひょんなことからあかの他人の今井四姉妹と同居することになって…。
最後のシリーズ、「光くん帰郷編」がイマイチでしたかね。おかげでエピローグもとってつけた感が 強かったです。そこまではどの話も面白かったんですが。このキャラ数で5巻というのはムリがあった のかなあ?四姉妹の選択と光くんの選択は相反してないかしら?彼女がいればそれでいいのか? もう少しその辺詳しく、というか盛り上げて欲しかったなあ。アッサリいきすぎた気がしました。

カードキャプターさくら(全12巻)CLAMP5点
小学4年生の木之本桜が魔力を持つ『クロウカード』の暴走を抑えて封印していくお話。
とことん最後まで予定調和だった。「おお!?」と思ったのは一回だけ。 さくらの周りの人達はホントいいひとばっかりで、障害らしき障害も無く、 話は終わってしまった…。「こいつらホンマに小学生かー!?」というくらい 人間が出来あがっている子供達…。予定調和の中にもハラハラドキドキがないと… 物語としていかがなものかと思う。 『レイアース』はその辺うまくやってたけどなぁ。これからごっつい 強大な敵と戦うんだと思ってました。非常に残念です。

怪獣の家(全2巻)星里もちる6点
自分の家が怪獣映画の中で壊されることになった福田さん。 怪獣映画大好きっ娘のあめちゃんは「怪獣映画で壊される家に住みたい!!」と、 怪獣映画に出演する女優・由希ちゃんは「役を掴むために実際の家に住みたい!!」と、 奇妙な同居生活が始まるが?
もちるパターン王道の「見知らぬ男女同居モノ」。 全2巻というコンパクトさも非常に親切なもちる節全開ラブコメ。

かくてるポニーテール(全1巻)星里もちる4点
曲がったことが許せない女子中学生・広宮彩子は、不良にからまれている女の子を助けるために ケンカしているところを彼氏に見られてふられてしまう。それを知った宇宙人・ジンは彩子ちゃんを 正義の味方にしようとするが…。
女の子が頑張る話。『りびんぐゲーム』等、星里先生の青年誌作品から入った人間だと ちょっと物足りない感じがするかも?

神風怪盗ジャンヌ種村有菜7点
ジャンヌダルクの生まれ変わりだという日下部まろんちゃんが人々を苦しめる 悪魔の宿った美術品を封印・回収していくお話。
なんというか、僕のツボをめっちゃ突いてくる作品でした。 4巻の風が吹くシーン、泣いたよ。6巻のジャンヌ復活のとこ、 鳥肌立っちゃったよ…かっこよくて…。 それなりにヘビィなシナリオ展開も良かった。 最後の無理からな大団円っぷりが少女漫画の王道って感じで愉快。

彼氏彼女の事情(全21巻)津田雅美8点
見栄を張るため『優等生』を「演じていた」ヒロイン・宮沢雪野が本物の優等生・有馬総一郎に出会って 「本当の自分」をさらけだして生きていこうと決意し、それによってぶち当たる壁を乗り越えてゆく 高校生青春物語。
物語の前半は「本当の自分」を見せることの大切さと大変さを描き、それに挫けず立ち向かうゆきのんの 生き様に心底感動。これが「ゆきのん覚醒編」と言われる部分。その過程で、当初ゆきのんを目覚めさせる 原因となった有馬は、世界へ飛び出していくゆきのんを見て逆に取り残されていく気を味わうことに。 そして始まる後半の「有馬覚醒編」なわけですが、エリートのエリートによるエリートのための お悩みという感じで、やや微妙とは言われつつも、最終的に有馬父がかっこよかったので 良かったという説も。

危険がウォーキング(全4巻)星里もちる6点
汗がニトログリセリンで出来てる女子中学生・岡原佳枝をはじめとする特異な体質&性格を持つ キャラ達が織り成す学園ラブコメ。
星里もちる氏のデビュー作。設定からも分かるとおり、おバカなノリですが、各キャラの雰囲気は 確かに氏の作風です。テーマはこういう作品にありがちな「コンプレックス乗り越えモノ」。 とりあえず「薗部さん最高!!」と言っておきましょう。

機動警察パトレイバー(全22巻)ゆうきまさみ9点
ハイパーテクノロジーの発達と共に、あらゆる分野に進出した大型ロボット「レイバー」。 しかしそれは、「レイバー犯罪」という新たな社会的脅威を生み出した。それらに対抗するために、 警視庁はパトレイバー部隊を結成する。しかし、その第2小隊のメンバーは即席警官と問題警官ばかり だった…。
押井守による劇場版で世界規模のメジャー作品になった『パトレイバー』ですが、 それに比べてノリが軽いと言われる原作も、たまに労働者問題を取り上げたりして、 結構社会派な作品でした。とりあえず後藤隊長がかっこよすぎます。 南雲さんも好きですよ、モチロン。
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気になるヨメさん(全2巻)星里もちる6点
新婚ホヤホヤの範くんと加菜ちゃん。だがしかし、加菜ちゃんは婚姻届を出しに行く途中、飛び入りで参加したミスコンで優勝してしまう!「新婚」なのに「ミス」なヨメさんを持つ夫婦の運命や如何に!?
相変わらずステキな設定です。加菜さんは久しぶりにもちる作品ヒロインヒットです。 2巻に同梱の『東京ラビリンス』は懐かしいもっちー絵がいい感じです(笑。 (2002/8/31)

きまぐれオレンジロード(全18巻) まつもと泉 6点
超能力一家の長男である春日恭介は、引越し初日に出会った鮎川まどかに一目ボレしてしまう。 しかし、まどかの妹分の檜山ひかるが恭介にゾッコンLOVEってしまって…。 三角関係をとことん楽しむ優柔不断野郎・恭介と、んなことにでんでん気づかないひかるちゃんと、 気を揉んで揉みまくるまどかさんが三者三様で楽しい80年代ラブコメの決定版。
今更説明するのもナニなくらいメジャーな作品。 ちなみにアニメの三角関係終焉はかなり悲惨なものになっている (『新きまオレ』でフォローされるが)。

究極超人あ〜る(ワイド版全4巻) ゆうきまさみ 8点
アンドロイドのR・田中一郎と愉快な仲間達が繰り広げる学園ギャグ漫画。
全然まともに部活動してない光画部のヘタレた日常をひたすら描き続ける、全ての文化系サークル憧れの ダメ高校生漫画。作品多数ある作者ですが、本作を最高傑作とする人は多いです。 それくらい、「なんでもないけどなんでもあるヘタレた日常を描く」このダラダラ感は中毒性があります。 人間誰しもが思い描いているかもしれない「こういう風に生きられたらなぁ」という憧れがここには 詰まっている、のかも?

逆境ナイン(サンデーGXコミックス版 全6巻 島本和彦 10点
廃部目前の「逆境」から立ち上がり、甲子園優勝を目指して度重なる逆境に立ち向かっていく全力高校野球部 の青春の日々を描く、超熱血ギャグ漫画。そう、あくまでギャグマンガだと思います。でも胸を震わせる その一言一言は、「人生必読」と言わしめるだけの力を持っていると思います。 「それはそれ!!これはこれ!!」「敵をのんでも、のまれるな!!」「野球の歴史など、たかだか150年!!人類が生まれてから現在に至るまでの歴史に比べれば…ゴミも同然ッ!!おれたちが甲子園に行くために必要なのは、野球の知識じゃあない!!」 「こまい逆境なんかに、いちいち全力でぶつかってたらどうなるっ!?」「誰だって…たたけばホコリは出る!!」「背に腹はかえられんっ!!」「思い出は一生ものだが、決められるのは今だけだっ!!」「はっきり言って歴史に名が残る!!」「たかが100点差、形の上でだって勝ちます!!」「無理が通れば−!!道理は引っ込む!!」「世の中には、おまえの想像を越えることがたくさんある…だから、下手な想像ならするな!!自らの範囲をせばめるようなことは…男の中の男のすることではないっ!!」「男がもし、死に場所を求めるために生きているのだとしたなら…その、一番の見せ場で…みっともないマネはできませんよ…」「わかったぞ。飛行機があれだけ高く飛べるのは…すさまじいばかりの、空気の抵抗があるからこそなのだ!!」「たしかに蛙は大海を、知らなかったかもしれない。だが、通用しなかったとは言ってない!!大海を知らなかった蛙の中にも、十分大海に通用した奴はいたはずだ!!それが、そんな言葉のトリックにひっかかって、どれだけの才能が潰されてきたことか!!歴史の白いページをおれたちが切り拓いてきているのだ!先人の腰の抜けた言動に惑わされるなっ!!」「おれは今、本気だ!!燃えたぎるほどに!!どうしていいかわからんほどに本気だ!!逆境の力を借りるまでもないっ!!」「逆境を払いのけ−そして、彼らはついに最後まで戦い抜いた!だが、これで戦いが終わったわけではない!!人生を突き進んでゆく限り−逆境はつねにおれたちの目の前に、立ちはだかってくるに違いないのだ!!!負けるな!」どれかひとつでも貴方の心を打ったのなら。是非ご一読を。(2005/6/21)

結婚しようよ(全6巻) 星里もちる 8点
就職1年目の紺野雅寿と見城早苗。付き合って4年になる二人は、結婚するかどうかで堂々巡り。 ど〜しても結婚したい雅寿と、その必要性がわからない早苗。そこに結婚願望の強い小坂祥子ちゃんが 現れて、話はややこしい方向へ…。
テーマは第一話のタイトル通り、「恋と仕事と男と女」。ハーフな分だけ の発展系の作品と言えるかもしれない。結婚という一大イベント、起こす前にじっくり考えるべきだし、 どういった夫婦生活を営むつもりなのかよおく考えるべきですね、と改めて考えさせられました。 まあ、結婚のみならず、人生、選択する時はじっくり考えるべきなんですが。

げんしけん(全9巻)木尾士目8点
大学に入学したばかりの笹原完士は、漫画・アニメ・ゲーム好きが集うサークル「現代視覚文化研究会」に 入会する。まだまだ己をオタクと認知出来ていなかった笹原君は、そこからオタク街道を邁進していく のだった。一方、美形の兄ちゃんを捕まえたは良かったが、彼は実はオタクで困っちゃった春日部咲もまた、 げんしけんに通う内に人生を転落していくのだった…(笑。
私もオタク文化をしっかと楽しみ始めたのは学生になってからだったので、笹原君には親近感覚えてました。 その他、登場人物が微妙にリアルで面白かったす。 序盤は咲ちゃんとオタメンツを対比させつつオタクの日常を描き、 後半から颯爽と登場したオギーと笹やんのオタ男女の恋愛模様へ巧くシフトして 作品寿命も延びた感じ。 『神戸在住』と合わせてアフタヌーンの微妙なリアルさで 描く青春群像をお楽しみください。(2007/3/20)

神戸在住(全10巻)木村紺10点
神戸市長田区に住み中央区の大学に通う辰木桂(東京出身)とその仲間達が神戸のいろんなところへ 行っては微妙にリアルな話を展開する日常を綴った作品。
各キャラの内面をしっかりと描き、中でも「震災編」と呼ばれる震災当時を描いた話は 阪神大震災がどういうものであったかを一般市民の目線で知ることができる素晴らしい内容となっています。 通常の物語では、日々をそれとなく過ごしながらも、他人との関わり合い方や自分の現状に悩み、 モラトリアムから社会人への階段を上がっていく学生達の日常と内情を見事に描いています。 『げんしけん』と合わせてアフタヌーンの微妙なリアルさで描く青春群像劇をお楽しみください。(2008/1/24)

こちら大阪社会部〜
こちら社会部(全9+4巻)
作・大谷昭宏、画・大島やすいち 8点
日政新聞の記者・谷一平を中心に新聞記者の大変さと報道機関のあるべき姿を描いた作品。
劇中で扱われている事件はほぼ実話だそうです。でも、私、金月真美が誘拐されたという話は知りません。 この作品を読んで、読売新聞へのムカツキが多少おさまりました。と同時に、 大谷昭宏氏はかっこええなあと思いました。 「節度の中に自信と誇りを持って取材を続けてほしい。謙虚で真摯あることと、ひるみ、脅えることとは まったく別個であるはずだ」素晴らしいです。『こちら社会部』第一巻の『パチンコ疑惑編』は泣きました。 マスコミかくあるべき、て感じ。などと感動しつつも、最終回の日政新聞社社長・鍋山と元首相・大木曾の 結び付きの話を読んで、いしいひさいちの漫画を思い出す自分はやっぱりお笑い人間だなあ、と思った。

こどものおもちゃ(全10巻)小花美穂7点
小学生にして芸能界に片足突っ込んでる倉田紗南。彼女が通う学校は学級崩壊していたが、 遂にサナちゃんは我慢できなくなり、学級崩壊の元凶である羽山秋人にケンカを売ってしまう。 小学生(途中から中学生になるが)だって様々な悩みを抱えているのさと大人達に訴える 学園ラブコメ。
イジメの描写が結構ハードで最初はちょっと引きました。 キャラが活き活きしていて好感がもてる。良作だと思う。 大地丙太郎監督のアニメと合わせてどうぞ、て感じ。

コミックマスターJ(全13巻)脚本:田畑由秋、作画:余湖裕輝8点
窮地に陥った漫画家を助けるスーパーアシスタント「コミックマスターJ」。 多額の依頼料を受け取るが、彼が認める作品でなければ、彼の手助けを受けることは出来ない。 漫画を愛するが故に、漫画を憎む孤高の男、J。「漫画」を救うため、彼の戦いは続く。
漫画業界に常に疑問を投げ続ける漫画家漫画。他の漫画家漫画と一線を画すのは、「ひたすら理想を追求 し続ける点」かと思います。妥協は一切許さない。命を懸けて漫画を創れ。そんな雰囲気がビシバシ 伝わってくる、本気漫画。

Compiler〜AssemblerOX(全3巻+4巻) 麻宮騎亜 8点
東京・練馬に住む五十嵐兄弟は、空から降ってきた二人の女性、コンパイラとアセンブラに出会う。 彼女たちは地球征服を目論むがあえなく失敗。そのまま五十嵐家に居候することになるのだった。
設定もテーマもへったくれもない勢いだけのギャグマンガ。実はこういうメチャクチャなの結構好き。 多数発売されている歌もいい。

最終兵器彼女高橋しん
北海道の田舎に住む高校3年生のシュウジとちせ。のろまで内気なちせは、 前から憧れていた陸上部のシュウジにやっとの思いで告白。シュウジもそれをOKし、 二人は付き合う事になった。 だが、ウブな二人はどうやって付き合っていけばいいのかよくわからず、 結局交換日記を書くという、かわいらしいことから始める。 そんなある日、突然札幌が空爆された。そこで、シュウジは変わり果てたちせの姿を見る。 ちせは、『最終兵器』になっていたのだった…。 地球のあちこちで紛争が起こるたびに呼び出され現場へ向っていくちせと、 彼女を見守ることしかできないシュウジ。ふたりはいったいどうなってしまうのか?
点数がないのは私にはこの作品の感想を述べる資格がないからです。 ただ、最終巻での作者のあとがきが非常に気持ちよく清々しかったので 私も一読者としてそれに応えるならば…「面白くなかった」です。 しかし、あとがきは本当に気持ちよかったです。爽快で痛快でした。 「二人の恋が全てであり、正しい正しくないなどは意味を持たないし、 リアリティなどはそれのためにだけあればいい。ハッピーじゃないけど不幸せじゃない。 正しくなんてないけど間違ってない。救いはないけど、記憶とその先だけはちゃんと、ある。 こんな物語が意味を持つ時代が人生の一時期きっといつかあります。 そして例えば五年経ったらこの本はその誰かにとってもう意味の無いものになっているでしょう。 そんな時が来たらどうか、この本を誰かに譲って下さい。 時代が変わっても、変わらないものがきっとある。 それを信じてこの話を描きました」即座に私は古本屋へ行くことを決意しました。 高橋しん先生はかっこいいと思いました。「面白くなかったけど、本気度は伝わってきた」作品として 後世に語り継ごうかと思います。

サイレントメビウス(全12巻) 麻宮騎亜 6点
西暦2026年、人々の生活を脅かす妖魔を倒すために結成された女性ばかりの組織『AMP』の 活躍を描く。
遂に、終わった。12年に及ぶ連載。僕は10年の付き合いだった。初めての 接触は劇場版だった。きっかけは忘れたが、とにかく観る機会があったのだった。そして、それは あまりにも鮮烈だった。近未来の東京、女性だけで組織されたチーム、次々襲い来るバケモノたち。 一発で『サイメビ』の世界にハマった。だが、長きに渡って連載を続けるうち、その鮮烈さは影を ひそめていった。正直なところ、今となっては『サイメビ』は「ありきたり」なものである、と 言っても過言ではないだろう。「先駆け」でありながら、今の今まで続いてしまった悲劇。 最後、ガノッサだけが悪いという勧善懲悪ぶりも、もったいない。せっかくこれだけの世界観と話を 作り上げてきたのに。ただ、これだけは言える。「何故AMPが女性だけで組織されているのか それは 戦いという不毛な行いの中で 唯一女性は新しい生命を育むことが出来る存在だから 血を受け継ぎ時を紡ぐ… 新しい命を その力はとても素晴らしい」 ラリー・シャイアンのこのセリフは、 永遠に忘れないであろう。

3年奇面組〜ハイスクール!奇面組(全6+20巻) 新沢基栄 9点
変態5人衆・奇面組他、魅力満載のキャラが掃いて捨てるほど出てくるラブコメ漫画。
たいてい『なんたら組』とかで何人かのグループで出てくるため、キャラの数がやたら多い。 最終回は良かったですね。当時、アニメの主題歌歌いまくってました。 とりあえず邪子ちゃん最高てことで。愛蔵版も出てます。

THE MOMOTAROH(全10巻) にわのまこと 8点
かの桃太郎を先祖に持つというプロレスラー、モモタロウ他、魅力満載のキャラが多数登場する プロレス漫画。
モモタロウ以外のキャラも御伽噺の登場人物の子孫で、どういう経緯で今に至っているか、 という話もおもしろい。正直、プロレスシーンはどうでもよくて、その合間のギャグが好きだった ように思う。七尺兄弟が大好きでしたが、一番好きなシリーズはアース・クラッシュ・トーナメント ですね、やっぱ。全キャラ登場するというのが良かった。七尺兄弟は活躍しないけど。

G戦場ヘヴンズドア(全3巻)日本橋ヨヲコ8点
人気漫画家・坂井大蔵を父に持つ高校生・堺田町蔵。彼は父親に反発し、秘かに小説家を目指していた。 幼い頃、漫画家を目指しながら、ある日を境に漫画を描くのを止めてしまった高校生・長谷川鉄男。 「ストーリーが作れない」「もう言いたいことがない」という鉄男は、町蔵の小説を気に入り、 町蔵は鉄男が昔描いた漫画を読み、その才能に驚愕する。「一緒に漫画を作ろう」という鉄男の誘いに、 町蔵は応える。「もしお前がもう一度オレを震わせてくれるのなら、この世界で、一緒に汚れてやる。」
どのキャラも立ちまくりだしセリフがいいキレしてるナイス作品です。これぞバシズム。 いわゆる漫画家漫画ではあるのですが、青春物語としても秀逸のデキかと。 漫画家に必要なのは人格と意志と仲間で、漫画業界の主役は読者である。 人生もまた然り。そんなお話でしょうか? 漫画家目指す少年少女は読んどけって感じなのかー!? (2004/5/12)

じゃじゃ馬グルーミンUP!(全26巻)ゆうきまさみ9点
ひょんなことから北海道は渡会牧場で働くことになった主人公・久世駿平。「ダービー馬を育てる」と 息巻くも、道は当然険しい。
競馬モノとしても十分におもしろいが、様々に展開する人間模様も良い。 なんつうか、人生についていろいろ考えさせられた作品。 僕の大学生活は間違い無くこの作品と共にあった。 でっかい感動は無かったけれど、小さな、平凡な感動はたくさんあった。 「青春大河ロマン」という表現はやや大仰な気もしますが、 「競馬はロマン」なのは間違いありません。 「どんな風に終わるんだろう、ひょっとしたらずっと連載続けるんかな」と思っていたけれど、 NEVER ENDながら完結という表現でオチ。 最終回で一気に流れた年月の間にも、大小様々な感動があったに違いない。 梅ちゃんは一体何者だったのか?梅ちゃん帰郷編を楽しみにしていたのですが、残念です。 ただ言える事は、31歳のたづなちゃんも 僕は好きだということです(笑。

スカイハイ(全2巻)高橋ツトム8点
「ここは不慮の事故や殺された人が来る怨みの門。 あなたのように殺された人はなかなか死を受け入れられないし 現世に念も残る。あなたは3つの行き先を選べるわ。天国を旅して再生を待つ、 受け入れず霊となって現世を彷徨う、そしてもうひとつ…現世の人間を呪い殺す。 ただし人を殺めたり自殺した人間は地獄へ行くの。そして再生のない苦痛が永遠に 続くのよ」全8話、9人のキャラの選択をアナタはどう思う!? 「生きること」を全力で描く、高橋ツトム先生らしさ全開バリバリのオムニバス物語。
「人生てなんやろー」と思わされてしまう、すんばらしい作品です。 すげぇです。それ以外感想なし!

スプリガン(全11巻)原作:たかしげ宙・作画:皆川亮二7点
世界の方々に眠るオーバーテクノロジーの遺産を狙う大国軍部。それらの遺産を守り、封印することを 使命とする組織・アーカム。そして、アーカムの特殊工作員隊を「スプリガン」と呼ぶ。
とりあえずかっこよすぎ。ていうか、それ以外感想述べようがない。 ボーが好きでした。もちろん芳乃ちゃんも。

セクシーコマンドー外伝
すごいよ!!マサルさん(全7巻)
うすた京介 9点
県立わかめ高校に転入してきた藤山起目粒。初日に彼が座らされた席は花中島マサルという 人知を越えた変態ヤローの席だった!!
ひたすらボケまくるマサルさんにツッコミまくる周りの 人々が面白い。やはりツッコミが上手じゃないと笑いは成立しない、と思った。

ソムリエ(全9巻)原作:城アラキ、漫画:甲斐谷忍、監修:堀賢一7点
フランスのソムリエコンテストで優勝しながらも、その栄誉を辞退した天才ソムリエ、ジョー・サタケ。 かつて継母が飲ませてくれた思い出のワインを見つけるために、彼は旅をしていた。
どんな問題もワインで解決するという、 『美味しんぼ』『ギャラリーフェイク』が好きな僕としてはたまらない 作品でした。が、父息子の仲が悪いっちゅうのはあまりにも山岡さんチックっすよね…。

大使閣下の料理人(全25巻)原作・西村ミツル 漫画:かわすみひろし8点
一流ホテルの厨房を辞め、「公邸料理人」として「食の外交官」となった大沢公。超優秀な外交手腕を持つ 大使・倉木和也の下、今日も公の料理が日本の外交を熱くする。
13巻までは「ベトナム駐在日本大使館」編、14巻から日本に戻って様々な外交問題のお話に。 料理漫画を通じて外交問題などのお勉強も出来るのが非常に有り難い作品です。 ベトナム編ではアオザイ着たホアさんが超萌えとかそんなことを楽しみにする漫画じゃありません。 ましてや後半から登場する和の料理人、北島萌ちゃんがいいなどとは絶対言ってはならんのです!!

鉄腕ガール(全9巻)高橋ツトム8点
第二次大戦後、日本。水商売のお姉ちゃん加納トメ(他数名)は突然女子プロ野球に スカウトされる。しかし、トメ達がスカウトされたチームは、 女子プロ野球最強チーム「ストライクス」の凄さを全国に見せつけるため 一試合だけのために作られた当て馬チームだった。 「打たれろ」とオーナーに命令されたトメだったが、 負けん気が強い彼女はそれが気に入らず、本気で勝負を挑む…。 「人生」とはなんなのか?を描かせたら屈指(あくまで俺的に)の高橋ツトム先生が 戦後を駆け抜けた一人の女性の生き様を描く、野球好きでない人にも おススメな野球漫画。
例によってヤバイです、かっこいいです。 「一生をかけるようなもの」は、死に物狂いで探さないと見つからない… だとしたら、そうなのかもしれないものに出会えることは、非常に幸せなことであり、 そうなのかもしれないのなら、そこで踏ん張ってもいいんでないかと想ったりした 読後感想でございました。(2002/8/1)

ツルモク独身寮(全11巻)窪之内英策8点
ツルモク家具株式会社に入社した宮川正太。彼は故郷に恋人のともみを置いてきていた。 しかし、ツルモクの新入寮生歓迎パーティーで酔いつぶれた正太は姫野みゆきさんの部屋で朝を 迎えてしまう。魅力溢れるキャラ達が織り成す青春ラブコメ。
とにかく各キャラがしっかり描かれている。それだけで文句ナシの名作と言える。 杉本がかっこよすぎます。
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泣くようぐいす(全7巻)木多康昭8点
幕張第一高校野球部の千石うぐいすが活躍するギャグ野球漫画。
『幕張』と違って、シリアスな場面もあってよし。 強引な終わり方もこの作者さんらしくていいのかもしれん。 最終回めっちゃ笑いました。 とりあえず言える事は、「私はこの人の漫画が、ギャグが大好きだ」ということです。

ハーフな分だけ(ワイド版全1巻)星里もちる7点
才能はあるがクサイセリフを耳にすると笑ってしまう役者・御前岳実と泣き虫ながらかなり強気な翻訳家 ・音裏由宇。ひょんなことから二人は男女の仲になり、やがて御前岳は由宇に求婚する。しかし、ケッコン という現実よりシゴト(夢)を優先させたいと、由宇は結婚を断る。果たして二人の愛の行方は?
星里もちる作品に共通していると思われるテーマ「夢と現実」がこの作品にもバッチリ描かれている。 短い話ながら、それだけにうまくまとまっていると思う。

姫ちゃんのリボン(全10巻)水沢めぐみ7点
おてんば女子中学生・野々原姫子は、自分にそっくりな魔法の国の王女・エリカから、 1年間観察日記をつけられるかわりに人間界に存在する人になら誰にでも変身出来るリボンを 渡される。しかも、リボン装着時には姫ちゃんが大切にしているぬいぐるみのポコ太に命が宿る というおまけ付きだ。こうして姫ちゃんの試練の日々が始まった。姫ちゃんをはじめとする中学生達の 成長を描く学園ラブコメ。
ラブコメと書きましたが、どちらかというと姫ちゃんとポコ太の友情物語って感じでしたね。 とにかく姫ちゃんが成長していく様に感動したっス。

ふしぎ遊戯(全18巻)渡瀬悠宇7点
中学3年生の夕城美朱(みあか)と本郷唯はある日図書館で読み終えると願いが叶うという 『四神天地書』の世界に吸い込まれてしまう。そこで二人は朱雀の巫女と青龍の巫女として 敵対することになってしまう。
中国歴史小説好きの私としては、非常にツボな作品である。 ただ、死んだキャラが幽霊になって出てくるのはどうかと…。 第二部の必要性もいまひとつ、だったかな、と。

フルーツバスケット(全23巻)8点
母親を失い、テントで暮らす女子高生・本田透は家事の腕前を買われて同級生で 学校の人気者・草摩由希の家で暮らすことになるが、 草摩家の人々は異性に抱きつかれると十二支に変身してしまうという 困った体質だった。 どこまでも前向きに生きようとするヒロイン・透の生き様が素晴らしい、 ホームコメディ(らしい)。
自分達のトラウマに悩み続ける十二支に、主人公の透君が女神の如く 啓示を与え続ける。透君が十二支に掛ける救いの言葉に感動し、 そしてその透君へ皆が掛ける救いの言葉にも感動。 悩み続けながらも人は前へ進んでいくものなのだと思わせてくれる作品。 (2007/3/20)

プラネテス(1〜4巻)幸村誠10点
21世紀後半。人類は月までの進出に成功していた。 宇宙ゴミ回収業社に勤めるハチマキは、今日も今日とてゴミを回収していた。彼の夢は自分の宇宙船を 買うこと。25歳の青年の心は、大いなる野望に燃えていた。宇宙とは、人間とは、を主人公ハチマキの 成長を通して描く、SF人生啓蒙ロマン(なんだそりゃ(笑)。
最初の頃のオムニバスっぽい話も好きなんですがっていうかぶっちゃけフィーさんが好きなだけですが(笑、 その後のハチマキの成長物語も熱くて好きです。4巻でいちおう「第一部完」となっています。 「生きる」とはどういうことか?「人生の目標」とは何なのか?そういうお話です。 その時々で考えが変わり、そして成長していくハチマキのかっこよさには感動しっぱなし。 谷口悟朗監督による珠玉のアニメ化も見逃すな!!双方読んで観てから『プラネテス』を語るべし。

本気のしるし(全6巻)星里もちる7点
日々をなんとなく生きるサラリーマン・辻一路。 仕事も恋愛もなんとなくこなしていたある日、辻は深夜のコンビニで一風変わった女性に出会う。 コンビニを出た後、彼女の車は踏み切りで立ち往生。 命懸けでそれを救った辻は、その後も彼女に深く関わってしまうことに…。 隙だらけ、嘘だらけ、行き当たりばったり、居るだけで災厄を呼ぶ「もちる作品史上最悪のヒロイン」と、 本気で生きてないけど、巧く世の中を立ち回る、これまた「もちる作品史上最悪の主人公」が繰り広げる、 サバイバル・ラブ・サスペンス。
前作『オムライス』を上回るすっげー暗くて痛い導入ですが、とりあえずたった6巻しかないのでささっと 最後まで読んじまいましょう。「すげぇ!!」て思います。「さすがもっちー!!」て思いますよ。 過去の作品とアプローチの仕方は違うと思うんですが、根底に流れるモノは同じだったんじゃないかと。 とりあえず私は 「人間ってちょっとしたことで変われるっつーかそもそも気の持ちようが変わるだけで結構変わる もんだよなきっかけはいろいろなんだろうけど」と思ったり 「人間生きてくために必要なものっていろいろだよな」と思いました。(2003/4/10)

僕のマリー(全10巻)竹内桜・協力:三陽五郎8点
大学生の雁狩ひろしは、憧れの真理さんそっくりのアンドロイド・マリを作る。ある日、真理さんと マリちゃんが顔を合わせてしまうアクシデントが勃発するが、ひろしはマリちゃんを自分の妹という ことにしてその場を乗り越える。こうして、雁狩兄妹が誕生した。
心暖まる「ええ話」が多い作品。だが、真理・ひろし・マリの三角問題は「うまくかわした」印象。
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幕張(全9巻) 木田康昭 6点
千葉県立幕張南高校を舞台に塩田鉄人と奈良重雄ら変態ヤローが活躍するギャグ漫画。
下ネタばっかですが、おもしろい。『稲中』ほどハジけてないなあ、と 当初は思っていたんですが、だんだん酷くなっていったのでよかったです。

MASTER KEATON(全18巻) 原作:勝鹿北星、作画:浦沢直樹 9点
元SAS(英国空挺特殊部隊)の保険調査員、平賀=キートン・太一の活躍を描く。
ええ話やかっこいい話や面白い話が目白押し。ひとつひとつの話をレビューしていってもいいくらい。 気が向いたらしよう。『MONSTER』へのステップになったと思われる作品ですな。愛蔵版も出てます。

魔法遣いに大切なこと(全2巻) 脚本:山田典枝、作画:よしづきくみち 6点
魔法遣いが国家公務員の「魔法士」として働く現代。魔法士になるため上京してきた18歳の 少女・菊池ユメが、研修を通して魔法遣いに大切なこと、人として大切なことを見つけていく物語。
二巻で終わるのはあまりにももったいないお話でした。最初の頃みたいに、依頼を次々こなしていく って話でもよかったと思うんですが…テーマ的にはほぼ最初の話でこなせてる気がしなくもないので…。 心温まる、ええ作品だと思います。

まもって守護月天!(「無印」11巻+「再逢」6巻)桜野みねね5点
主人公・七梨太助の元に世界放浪中の父親から送られてきた支天輪から現れた「主を守るのがお仕事」 の『守護月天』・シャオリン(通称シャオ)。守護月天としてあくまで頑なに主の太助につくそう とするシャオに対し、「自分の為に生きて欲しい」と願う太助。二人の仲は!?
物語はこの「守護月天としてのシャオと一個人としてのシャオ」という問題を核に、 慶幸日天ルーアンなど様々な魅力満載キャラ達を巻き込んで展開。だったのですが。 「再逢」になってから明らかに大きくパワーダウン。「危険なことなど現代にはないので守ってもらわなくて いい」とシャオを送り返した太助に対し、「あなたを孤独から守りたい」と再び現れるシャオ、という最早 伝説とすら言っていい第一話、並びに無印終盤の10巻で見せた当時のタイガースファンの心の叫びとも 言えた「キリュウちゃん覚醒編」の頃のパワーは「再逢」ではとんとお目に掛かることが出来ず。 「なんでわかんないんだよ!!立ち直ってくれると思って言ったのに…」 「変わってしまったら役目なんて果たせないと思ってた。だけど本当はそうじゃない」 この巻だけ売らずに持ってます(笑。(2005/6/30)

しあわせのかたち〜防衛漫玉日記〜幽玄漫玉日記〜御緩漫玉日記桜玉吉9点
漫画家・桜玉吉とその仲間達が織り成す正義の業と魂の慟哭の物語。基本的には日記漫画であるがオヤジ達の熱き血潮を感じる。何処かに「こんな大人になりたい」という 想いを抱くのはダメなのか当然なのか?男の浪漫とは何なのか、を問う人生漫画(笑?

陸奥圓明流外伝 修羅の刻川原正敏
千年間不敗を誇る伝説の古武術・陸奥圓明流と歴史の関わりを描く。
壱巻 陸奥八雲の章6点
陸奥と宮本武蔵との戦いを描く。
野郎臭い話だが、宮本武蔵が好きなので、この話も好きです。井上雄彦氏の 『バガボンド』も好きですよ。
弐・参巻 陸奥出泉の章 風雲幕末編9点
江戸幕末、陸奥と新撰組と坂本龍馬の戦いを描く。
相変わらず野郎臭い話。土方がかっこいいのは当然として、沖田の死に様の描き方に川原氏の 心意気を見た。
四巻 陸奥雷の章 アメリカ西部編9点
インディアンと白人が争うアメリカ西部に、陸奥が降り立つ。 「OK牧場」のワイアット・アープも登場する異色作。
「陸奥 in アメリカ西部劇」という奇妙な取り合わせだが、これがまたかっこよすぎる話 なのだ。雷はモチロン、ヒロインのニルチッイがまたかっこいいのだ。
伍・六巻 陸奥圓・天斗の章 寛永御前試合編7点
徳川三代将軍・家光の時代。御前試合に集結した豪達の中に、家光の命を狙う者がいた。 いちおう壱巻の続編。陸奥と柳生+αの戦いを描く。
圓ちゃんかわいすぎ。
七〜十巻 陸奥鬼一の章 源義経編6点
源平合戦と陸奥の関わりを描く。
「歴史遊び」の楽しさを満喫出来た作品。

め組の大吾(全20巻) 曽田正人 7点
めだかヶ浜出張所(通称め組)に勤務する若き消防官・朝比奈大吾が様々な火事場を経験して成長していく 物語。
迫力ある火事場シーンとそこで展開される人間ドラマが素晴らしい。ただ、舞台が全て『火事場』である ため、似たような話が多いのもまた事実か。ひとつひとつの話は面白いがまとめて読むとちょっと、 疲れるかもしれない。「主人公がとにかく超人的に凄いヤツ」というヒーローものの王道を 行っているのもいい(最後の方なんか「凄すぎるやろ」と度々ツッコミを入れてしまった)。 気が付けばただのアクションものでなく立派なテーマまで付属して(愛犬のジルに語らせたのは爆笑したが) 最終回は大団円。素晴らしい作品だったと思う。是非映画化してバックドラフトなみの迫力をアニメで観せて もらいたいものだ。

燃えよペン(全1巻)+吼えよペン(全13巻)島本和彦10点
「全ての漫画家がこうであると思ってもらいたい!」漫画家のあるべき姿を時に熱く、 時に言い訳がましく(笑、現実と戦いつつも理想を追い求める、「プロの漫画家」の姿を描く、 島本節全開の熱い作品。これ読まずして漫画語るべからず!?

MONSTER(全18巻)浦沢直樹10点
非常に説明しづらい作品なのだが、頑張って説明しよう。主人公・天馬賢三はドイツの大病院で働く 優秀な脳外科医で、院長の娘をフィアンセにするなど出世間違いなしの超エリートコースを歩んでいた。 しかし、ある日のこと、天馬は小さな男の子の手術中に院長から「市長の手術を頼む」と言われるが、 これを無視。小さな命を助ける道を選択し、市長は死亡。天馬は出世コースを外され、助けた男の子の 寝顔を見ながら愚痴をこぼす。「あんな奴、死んだ方がマシだ!!」と。数日後、院長は死に、男の子は 双子の妹と共に姿を消した。時は流れて9年後。院長の死により再び出世コースに復帰した天馬の前に、 成長した男の子が現れる。天馬の患者であり、連続殺人事件の重要参考人である男を処刑するために。 男の子(だった青年)は言う。「僕はあの時、死んでいたはずだったんだ。先生が僕を生き返らせたんだよ」 呆然とする天馬。男の子の名は、ヨハン・リーベルト。彼こそ、彼こそ、ヒトラーを越えるカリスマを 持った、モンスターであった。
ドス黒い話ですが、浦沢直樹作品らしい、人情物語もあります。 とりあえず言えることは、「これから一気読みする方も、一巻読み終わるごとに 今までの話を振り返って下さい」ということです。 多分、考える時間を設けなければ、この作品は面白みに欠ける可能性があります。 広がった話がひとつに収束していく快感を味わって下さい。 浦沢直樹氏の構成力に感動して下さい。 17巻まで読んだら、最終巻へ行く前に、もう一度一巻から読み返すことを オススメします。 そして、最終巻で、その先にあるものを…自分の目で見て下さい。 春発売の読み本も読まなくちゃねー。

夢かもしんない(全5巻) 星里もちる 8点
家族ほったらかしで仕事に励む加勢晴夫の前に突然現れた幽霊の女の子。「あなたをハッピーにしてあげる」と 言う彼女は一体何者なのか!?厳しいゲンジツに追われる中、ハッピーは存在するのか!?
最初は正直、「ユーレイはないやろう」とか思ってたんですが、うまいこと話を 展開させてます。話的には同僚の佐藤さんとの不倫をガンガン進めていったほうが面白かったんでしょうが、 そうすると違う話になってしまうので、これでいいでしょう。おかげで今一つ起伏の無い平坦な話になっているのですが、 だからこそ、最後が泣けるし、日常ってのは平坦なもんなんだよね。その中でハッピーを見つけるのが 楽しいのだ、と思います。

ラブロマ(全5巻)とよ田みのる9点
「根岸さん好きです俺と付き合って下さい」いきなり知りもしない男子が昼食中の教室にやってきて 告白してきたものだから根岸さんも大弱り。「あなたのことも全然知らないし、NOです」と断ったものの、 引き下がらない星野くん。二人の恋路の行く末は!?正直で誠実な二人と、それを囲む脇役達もキャラ 立ちまくりでお送りする、21世紀ラブコメ最高峰。
ラブコメとしての完成度もさることながら、学園物としてのデキの良さとキャラ達のやりとりの テンポの良さは秀逸と思います。 ホシネギコンビが恋人同士として、人間として、お互いを理解していく様は本当にかっこよく。青春万歳。

りびんぐゲーム(全10巻) 星里もちる 10点
とある事情で自宅が勤め先になってしまった不破雷蔵と、島根から単身東京にやってきた若干15歳の 氷山一角。15歳のいずみちゃんに部屋を貸してくれるところはなく、二人は同居することになるが…。
星里作品で最長だけあって僕の思い入れは強いです。家族の絆、男女の関係等、様々な問題を扱っている。 キャラ数はけっこう多いが、無理なく消化している。おじいさんの話もいいが、一番盛り上がるのは やっぱ作品でちょうど中盤にあたる『いずみちゃん帰郷編』。シナリオ的にも「おいおいマジかい!?」 とびっくりしたが、雷ちゃんの素晴らしさに感動。それから最終回間際で二人がケンカする場面も泣きました。 雷ちゃんは僕の中でかっこいいキャラベスト3に入ります。「大事なのは心の置き場所」です。 皆さんも心の置き場所、自分の居場所がありますか?

ルナハイツ(全4巻)星里もちる6点
突然婚約破棄された南條隼人。新婚夫婦の愛の巣になるハズだった新居は無駄になるかと思いきや、 会社命令で突然、女子寮になることに。個性的な四人の女性と同居することになった彼の運命やいかに?
星里もちる先生お得意、と言っていいかもしれない「同居モノ」です。 前作『本気のしるし』とは違い、また前の作風に戻した感じです。 4巻でまとめた多人数同居ラブコメ、安心して読める一冊か。 ド真面目一直線の主人公が面白いです。(2005/1/9)

レベルE(全3巻) 冨樫義博 8点
高校生の筒井雪隆のもとに現れた謎の青年は、ドグラ星第一王子で宇宙一の天才的な頭脳を持つが、 性格の悪さも超一流だった。
王子の無茶苦茶ぶりに翻弄される周りの人達、とくに王子の側近であるクラフト隊長がおもしろい。

わずかいっちょまえ(全1巻)星里もちる6点
母子家庭の女子中学生・遊川和好(わずか)は、飼い犬のマッハ号も亡くしてしまっていた。 しかし、そんなわずかちゃんをいじめる伴太一を許せなくて、マッハ号はあの世から帰ってくる。 ところが、マッハ号の活躍を待たずして、人間並の知識を持つウォンバットがわずかちゃんを 助けてしまう。
わずかちゃんの成長物語ですが、マッハ号の「オイラにはなにもない」にメッチャ感動しました。 もっとじっくりやってくれて良かったと思います。あとがきから察すると、分かってて終わらせた みたいですが。