タイトル書いてから2年前に仙一が亡くなった時の日記見たらタイトルが「ありがとう」になってることに気付いてやはりこの二人には感謝しかないんやなぁと思った。


のむさんについて語るのはね、もう難しいんですよ。
当時、どれだけ野村克也に懸けて、そしてそれが嫁はんのつまらん罪で霧散したあの時の自分の想いは、その後タイガースがどうなるか知らなかったからこそ抱いたものであって、今となっては(自分で読んでも)「何を大げさな」って思ってしまうんですよね。

でもそれだけ当時自分は阪神タイガースに絶望していたし、NPB全体にも絶望していました。
「このままタイガースと共にNPBも衰退していくんやろう」とあの時は本気で思ったんです。
和田豊が引退し、長嶋茂雄も野村克也もユニフォームを脱ぐとなったあの時・・・。

のむさんがタイガースの監督をやっていた頃の自分の日記を読むと、毎日が戦いだったことを思い出します。
あの頃、中村勝広、(藤田平を挟んで)よっさんと采配に不満だらけだったところにのむさんが来てくれて、采配にはほとんど文句が無い日々がやってきたんです。
しかしそれでもチームは勝てない。ここでフツーなら「やっぱり戦力が足りていない」と思うハズなんですが、そうはいかないのが勝てなくても人気のある不思議球団阪神タイガース。「誰それを使わないから」「選手に自由にやらせるべき」「根暗なのがアカン」「昔から嫌い」などなど反野村派がわらわらと湧いてきまして、私のような親野村派は采配への不満が無くなった代わりにそういう人達と戦う日々が新たに始まったのです。

当時はまだSNSはなく、スポーツ紙各紙を現物とネットを全てチェック(暇な大学生だったので)し、タイガース関連の掲示板(古い!)でのむさんに対していちゃもんつけている人に反論する日々でした。

その時に私は知ったのです。タイガースファンには大別して三種類いると。
敢えて当時(2001年12月5日、沙知代さん逮捕の日)の日記からそのまま抜粋しますと以下のようになります。
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・結果主義型
結果が全て。今は最下位脱出という結果を望んでいても そうなったらそうなったで上を望み、 ゆくゆくは優勝以外望めなくなるであろう、 多分永遠に満たされないタイプ。ジャイアンツファンになった方がいい。 結果が出なかったらすぐに「責任を取れ」「恥ずかしくないのか」 と言うのが特徴。
・原因究明型
私はこれです。勝てば文句はないが 負けた時に「なんで負けたのか」彼らが分かっているのかどうかを知りたい、 彼らが分かっているなら今後に活かしてくれそうに思えるから、 そういう思考です。 勝負事なので絶対負けはあるのです。 その原因を究明し次に活かせなければ、 よしんば最下位脱出出来ても優勝はとても無理です。 ちなみに今年のバファローズを観て 「勝因を究明しそれを伸ばす」という方法もあることも学びました。 このタイプは他の型に対応しやすいのが特徴。
・内輪重視型
「外様はいらない、内輪だけでなんとかしよう」という考えの人から 「来るのはいいけど出すのはいや」という人まで、 人事異動を嫌がるタイプ。 そりゃそれで強くなれればいいにこしたことはないが 今のプロ野球でそれが難しいのは周知の事実。 結果、「弱くてもいいから」という理解し難い思考に辿り着くことも。
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これは今でもある程度通用するんやな、というのは一昨年の金本解任から思い当たりますね。

のむさんが私に教えてくれたこと、それは
・采配に文句無くても戦力が整っていなければ勝てない(当たり前)
・世の中にはいろんな人がいるので気を使ってもあまり意味は無い(あちらを立てればこちらが立たない)
ということです。

のむさんがタイガースの監督を辞して後、阪神タイガースも、NPBも自分が想像していたより圧倒的に良い方向へ進んでくれました。
そしてのむさんもイーグルスを2位まで押し上げて復権を果たしてくれて、ホンマにうれしかった。

近年はさすがにお年を召された感じで発言内容も(失礼ながら)だいぶ耄碌した感じになっていたので、それなりに覚悟はしていたんですが、こうして「共に戦った」日々を想い出すと、やはり涙が出てくるものですね。

1998年プロ野球オフシーズン、のむさんがタイガースの監督をやってくれることになって、大喜びした私や私の友人達は「From Yossan To Nomusan(略称FYTN)」を立ち上げました。
2001年オフには夢半ばでのむさんがタイガースを去るものの、仙一政権が爆誕。
2003年にタイガースは18年ぶり優勝を果たし、
2004年春、FYTNは草野球チームの発足を決めます。

そう、私が今草野球をやっているのは、間違いなくのむさんと仙一のおかげなんです。
その二人がもう既に鬼籍に入ってしまったということに、何とも言えない寂しさを感じます。

ホンマにありがとうございました。