先日、面白い記事を読みました。


データ分析の材料は“過去”から“今” 野球データ分析の未来を山本一郎氏が語る

イーグルスの編成・育成データ担当のやまもといちろうさんが語ったこの内容はいろいろと興味深いです。
かつて『マネーボール』で提唱された「フォームの見てくれは置いといて、データから選手を評価する」から一周して再び「フォームから選手を評価する」世界がやってくるんでしょうか。ただしこれまでと違うのは、スカウトやコーチの経験則ではなく、動画解析など科学的な分析によってその評価が行われると。

また、やまもとさんは以前ツイートで
「試合に貢献するプレイとは何かの分析が進んだ結果、選手の特性を組み合わせてポジション別のイニング配分の最適化がなされて実力が発揮できるだろう場面はだいたい起用され、そうでないときは使われなくなった」
と仰っていて、これは所謂セイバー指標だけではなく試合中のプレー単位で再び選手が評価されるようになっている、ということなのかなとも思いました。ここも一周してきた感があります。

NPBはもちろんですが、阪神タイガースもこの流れに乗り遅れないようにしてもらいたいものです。

あとこの記事の中にもあるデータには「戦略・編成級」「戦術・作戦級」「育成級」「故障・非常時級」の4系統があるという話、これは非常に整理されていて分かり易くて良いですね。

完全に印象論なのでアレですが、『マネーボール』前のデータ野球とは「戦術・作戦級」の話がメインだったと思うんです。野村IDや仰木マジックとかがそうですね。野村IDの原点はブレイザーから教わったとのむさんが言ってたのでMLBでも多分そうだったんじゃないんすかね。
で、『マネーボール』登場後に「選手の成績から本当の実力を測れる指標はどれか」という話が盛り上がり野球のデータとは「戦略・編成級」の領域を指すようになったように思います。
それがいよいよ「育成級」「故障・非常時級」もデータ解析される時代になっていると。
確かにここは全ての根幹になる領域ですので、これがあれば他の領域でも活用できそうですよね。