『もしドラ』で程久保高校野球部が実行していた「ノーバントノーボール作戦」。送りバントをしない野球は過去にプロでも何例かありますが、ノーボールは記憶にない。果たしてノーボールの有効性はあるのかどうか?を真剣に考えてみる企画。


野球において「ボール」になるケースは
1.投手の制球ミス
2.見せ球として意図的に外した
3.打者が手を出すと思って外した
の3パターンがあると思います。
「ノーボール作戦」としては1は致し方ない。
2の是非については既に「見せ球不要論」というのが野球界に存在します。この理論の根底には1があり(意図しなくても投手はボール球を投げることがある)、特に制球力の無い投手の場合には有効な作戦とも言われています。
3はどうなのか。ここが大きな分かれ目でしょう。「振ってくれたら儲けもの、見送られたらそれでいい」という気持ちで投げることもあれば「必ず手を出してくる」という確信のもとに投げることもあります。後者は積極的に空振りを取りに行く配球でつまりは「ストライクを取るために」投げる球。これは「ノーボール作戦」として認めても良い配球なのではないかと個人的には思いますし、これを是とすれば正直この作戦は有りとして結論付けてしまって良いでしょう。

では非とする場合はどうなのか?
壁となるのは当然「ストライクゾーン(バットの届く範囲)ならば何でも対応できる打者」でしょう。そういう打者が数名しかいない打線ならばノーボール作戦でも何とかなるかもしれません。しかしそういう打者が多く並ぶ打線、例えば2010年のタイガース打線(今年は見る影も無いが(笑)然り、近年のジャイアンツ打線(坂本、小笠原、ラミレス辺り)然り。ここでポイントとなるのは「投手の制球ミス」。ストライクにするつもりで投げた球がどれくらいの確率でボールになるか。逆にボールにするつもりでストライクに行ってしまう確率とどちらが高いか。これは投手の日頃の練習の仕方で変わってくる?もしストライクのつもりでボールになってしまう確率の方が、ボールのつもりでストライクになってしまう確率より高いのであれば、「ノーボール作戦」は有効と言えると思います。

ど真ん中に行っても打ち取れることもあれば外したのに打たれることもあるのが野球。投手の球数を減らすというのが最大の利点と考えられる「ノーボール作戦」は、追及すれば確かにイノベーションを起こせるかもしれないなと思います。ダルビッシュ辺りが挑戦してくれないものか(笑。