まだ読み終わってなかったんかい!と突っ込まれそうですが。


去年の三月に『戦争』を読み終えた後、すぐさま『内乱』を購入していたんですが、ずっと積まれていました。それが阪神タイガースの今季終了から二週間で『内乱』『危機』『革命』を読破。映像化されてない『革命』はなんとかアニメ化されてほしいなぁ。ノイタミナ、再びどうすか?パス報道のところとか熱すぎて泣ける(そこか!)。
基本的な感想は『戦争』と同じで有川先生はホンマにいろいろ勉強して書いてるなぁと。ここまで細かくパラレルワールドを作り上げるには相当な取材と考証を行ったと思われます。何か事件が起きてそれに「これどうなってんの?」と疑問を持つと即説明してくれる構成は設定に拘る人間には親切設計。毬江ちゃんの話や床屋の話みたく既に現実に存在する話も導入されてるのでより全体のリアル度が上がってるんだろうなぁ(毬江ちゃんがTVに出られなかったのもやっぱり「自主規制」なんやってねぇ・・・)。
そして何より感動したのは読みながら一応気になってはいたことが最終巻『革命』のあとがきでちゃんと書かれたことで。それは「良化委員会側の言い分が描かれてない」という点で、もっと言うと「良化委員会側に所属する人間の人物像が全く描かれていない」ということですよね。郁に傘を貸してくれようとした心優しい良化隊員とかはいたけど(笑。有川先生はこれに対して「敢えて書いていないしその理由も書かない」と書かれていましたが、個人的な解釈では「これはあくまで郁の物語なのだから、それでいいんだろう」と思っています(この手の話は『星界』シリーズと『銀英伝』の話を思い出すなぁ)。つまりこれは戦争物ではなく一人の女の子の成長物語、否、ただのラブコメに過ぎないと(笑。まぁそれでも敵役として確固たる敵キャラがいたら違う面白さもあったかなとは思いますが。途中まで手塚兄がそれを担ってはいましたが良化隊の人間ではないからなぁ。しかし良化法はいろんな人間が利権目的でたかって導入されたような法律なので黒幕がハッキリしていないとか確固たる敵がいないってのはリアルな気もする。
おっとこんなことグダグダ書く気は無かったのに書いてしまった。堂上が一番の萌えキャラとかそういうことを書くつもりだったのに(笑。次は別冊二巻か。