のむさんとイーグルスのなんやかんやに思う。


2001年の日本シリーズ。若松スワローズVS梨田バファローズとなったこの年、「これからのプロ野球チーム運営は、フロントが戦力を作り、監督はフロントの方針に従って現場で采配を振るうだけの存在になっていくのでは」と言われました。従来の日本球界の監督は、現場監督だけでなく、所謂GM業もこなさなければならないことが多く、それによって、戦力の構成そのものから監督の個性が出るようになっていました。しかし、この年の両優勝監督は、若松監督も梨田監督もあまり己の色が無く、補強やなんやとフロントには口出しせずに、フロントから与えられた戦力をそのまま使っての優勝で、片や野村タイガースは三年連続最下位に沈み、星野仙一がフロントとの確執からドラゴンズ監督を辞めるなど、個性派の監督が次々と現場を去っていくという時であったため、そのような話が出てきたのだと思います(仙一はその数ヶ月後にはタイガース監督になりますが)。
そもそもメジャーではフロントと監督は全く別の仕事として確立されており、当ののむさんや仙一も本来はそうあるべきと語ってはいるのですが、今の球界を見渡すと、「この監督はこういう野球をする」という明確な個性が無くなってきているような気がします。昨今のプロ野球界から各チームのチームカラーが無くなりつつあるのも、これと関係あるのかもしれません。これはこれで時代の流れだったり、各球団のフロントがそれなりにまともになってきたということなのかもしれませんが(いやむしろノープランという可能性もあるが(笑)、「この監督ならでは」「このチームならでは」という野球が見られなくなっていくのは、ちょっと淋しいものがあります。でも、メジャーはフロントと監督が分業してても監督の個性やチームの個性は出ているような?日本球界がそこに行き着くにはまだまだ時間が掛かるのかしら?
そんなわけで、のむさんは今の時代では最後の個性派監督だったのかも。そしてカープの補強策に文句も言わずに頑張ってたブラウンを監督に据えたいイーグルスフロントの考えは何となくわからんでもない気もしてきた。