じっくり書こうと思ったのですがあまり時間が取れず、かと言って時期を逸するのもアレなので簡単に書きます。


のむさんを凄いと思ったのは、「一年目で種をまき、二年目で芽を出し、三年目で花を咲かせる」と宣言して就任したスワローズを、ホンマに三年で優勝させた時でした。当時、スワローズは毎年タイガースと最下位争いを繰り広げているチームでした。しかし三年目の92年にはそんな二球団が優勝争いを演じ、最終的には監督の用兵術の差でスワローズが優勝したのでした。タイガースファンは負けた悔しさと共に、野村克也の用兵術の素晴らしさに感心せざるをえなかったのです。この後、スワローズは黄金時代を迎え、タイガースは第二期暗黒時代へと突入していきますが・・・。
そんなのむさんがタイガースの監督に就任してくれた時はどれだけうれしかったことか。毎日スポーツ新聞に載るのむさん語録を楽しみにしていました。のむさん以降、仙一、岡田、真弓と監督語録を載せるのが当たり前になりましたが、それまでの監督は選手起用の理由等を明確にコメントしてくれることはなかなか無く、とても画期的なことだったと思います。ファンは「何故、あの時そうなったのか」をとても気にします。例えその時不可解と思ったことでも、その後しっかりと説明をしてくれれば、納得できるし、諦めもつく。当時、ニュースで「政治家に求められるもの」としてよく話題に上がっていた「説明責任」を、のむさんはしっかりと果たしてくれていました。だから、三年連続最下位でも、明日への希望を捨てずに応援できたのです。
ホークス、スワローズ、タイガース、シダックス(社会人)、イーグルスと監督を務めたのむさんは、数々の選手を残しました。「人を遺すことが一番大事」とのむさんは言っていましたが、それだけでもプロ野球への貢献度は測り知れません。そして、タイガースファンとしてどうしても言っておきたいことがあります。のむさんが遺した人の中で最も凄い選手。それは、えもやんでも古田でも広沢でも池山でも稲葉でも吉井でも矢野でも赤星でも山崎武司でも草野でも鉄平でもマー君でも無く、新庄剛志である、と。彼をメジャーリーガーになれる程までに育てたのはのむさん。そして、近年のファイターズ黄金時代、ひいてはパ・リーグ人気の礎を築くのに新庄は大貢献したと思います。かつて「長嶋、王は向日葵で自分は月見草」と語ったのむさん。それはのむさんのキャラだけでなく、パ・リーグそのものが人気が無かったことも原因だったと思います。しかし、あの発言から30年以上が経った今、愛弟子新庄と、自らのイーグルス監督就任によって、セパ人気はほぼ同等と言えるところにまで来た。こじつけかもしれませんが、そう考えると、何だか感慨深いです。
いやいや、感慨にふけてる場合やないね。74歳とは言え、まだまだいけるやろ?タイガースも真弓の次は仙一再任という話もあるし、イーグルスもブラウンの次はまたのむさん再任でええんやないの?メジャーで最高齢の監督は89歳らしい。ほな90歳監督目指して、頑張ってもらいましょうや。