私はスポーツ紙は基本的にサンスポだけをチェックしています。理由は野村タイガース時の記事の内容が自分のスタンスに近かったからなのですが、水曜のホークス戦での鳥谷に代打を出した真弓采配について、自分にはなかなかに過激に思える見出しがついていました。


「鳥に代打…阪神・真弓監督、最悪采配」
個人的には、トリーの連続フルイニング出場なんて岡田監督の温情だけで続いていたようなもんで、監督が違えば外されることなんざしょっちゅうあるやろうと思ってたのでその点については「遺恨」とか言うのはどうなのかと思いますが、記事の肝の部分は「それ以前に打順決める段階で動けよ」という内容で、それは自分も日記に書いた通りで同意。評論家の土井正博や木戸ヘッドのコメントを用いている辺りも含めてこれは「真弓采配批判」と捉えてもいい内容かと思います。
他方、デイリーやニッカンはどうかと言うと
「真弓監督 悲痛…「鳥谷に代打」も実らず」
「3番鳥谷に代打桧山…真弓采配は空転」
とサンスポ程の過激な見出しでもなく、デイリーに至っては「岡田前監督時代から“聖域”となっていた鳥谷」「5月に入って55打数7安打、打率・127のスランプに陥っては致し方ない」と真弓采配をフォローしトリーをこれまでの扱いを含めて非難しているとも言える内容。のむさんが著書『あぁ、監督』で「スター選手が監督になると、マスコミは監督が悪くても批判をせず、コーチや選手に矛先が向く」と述べてましたが、正にこれがそう。

トリーレベルの選手のフルイニング出場が止まったことについてグダグダ言うサンスポもどうかとは思うし、その点ではデイリーの切り口も悪くは無いと思います。しかし、「打順は代えない」と言っておきながら代打を出してしまう真弓采配の迷走っぷりは批判されて然るべきかと。その点サンスポはよく斬り込んでくれたとも思います。思えば岡田政権一年目もこういった後手後手のアワアワ感ありありな采配に辟易したものです。その点、むしろここまでよく真弓監督は不動を貫いたとも言えます。あの采配を経て、今後、どうしていくのか。
とにかくよく動くが戦力が揃っていなかった野村タイガース。
これまたよく動くが大局では不動になり日本シリーズを落とした星野タイガース。
後手後手采配から不動の采配へと成長したものの短期決戦での対応力がまるでなかった岡田タイガース。
真弓タイガースは、果たして今後、どの道を行くのか。

そういえば話は変わりますが、岡田は一年目に「伊良部と藪が前年程活躍しないことは分かっているのに最初は使わざるをえないことがネック」と思っていたという話を週刊誌か何かで読みました。オープン戦やシーズン序盤では「いっそ打たれてくれ。そうしたら二軍に落とせる」と思っていたそうな。そう考えると後手後手采配は「本当にやりたいこと」と「星野タイガースの遺産を使うこと」の狭間で揺れ動いていたことの現れだったのかもしれませんね。