阪神タイガース'99

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去り行く人々'99

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1999 阪神タイガース 敗戦の弁

・結局『超人マーク』が全てだった
ジャイアンツとの開幕3連戦を勝ち越し、さらに次の広島市民球場では2ランスクイズを決めるなど、 華々しいスタートを切った今季のタイガース。ブロワーズの一時帰国と共に7連敗を喫するも、 復帰後6連勝を果たし、気が付けば首位戦線に踊り出ていた。その中心にいたのはまぎれもなく『超人マーク』 ことジョンソンだった。甲子園の浜風をもろともせずスタンドに放り込むパワーにファンは酔った。 そして、6月9日、遂にタイガースは正真正銘(開幕戦ずっと負け続けてるからね)6年ぶりに首位に立った。 しかし、夢もここまで。夏場を迎え、『超人』は『凡人』になり、スタンド前で打球が失速するようになり、 チームも失速していった。
・A級戦犯は藪・川尻・中込
「今年のA級戦犯は誰?」ときかれて真っ先にブロワーズをあげる人は多いかもしれない。だが、そもそも 助っ人は「バクチ」なわけで、いたしかたがないところがあると思う。まあ、あのやる気ないプレーには さすがに腹が立ったが、メジャーでも2割5分20本程度の選手だったのだ。あんなもんだろう。 それよりも私は、当初先発3本柱の予定だった藪・川尻・中込をやり玉にあげたい。昨年、この3人で 29勝したのだが、今年は11勝。これでよくチーム全体で昨年より3つも多く勝てたもんだと思ってしまう。 藪は4・5月「生まれ変わった」と思わせておきながら、夏場を迎えてプッツン病が再発。暑いと イライラするのだろうか?川尻と中込に至ってはシーズンの半分を二軍ですごす有り様。ストレートが 走らなかったのが原因だが、それはキャンプで投げ込みを怠った結果、と言われても仕方ないだろう。
・伸びない若手、選手層の薄さ
前述の通り、3本柱で昨年より18も勝ち数を減らしたのだが、チーム全体では3も増えている。 これは打線が昨年よりは成長していることの証明と言えよう。チーム打率は1分7厘、得点は40 増えている。チーム打率が2割5分を越えたのは久しぶりではないだろうか。そして盗塁数がほぼ倍増。 得点力は多少はアップしたといっていいのではないだろうか?リリーフの福原が10勝、伊藤が6勝 していることからも、試合終盤の粘りが昨年よりはあった、といっていいだろう。まあ、元が酷かった だけ、ということも言えなくも無いが。確かに、今こうやって打線の成長を誉めてはいるが、シーズン 後半はそんなことなかったで、と自分に突っ込んでしまう。前半にはあった粘りが、後半にはなかった。 体力的な問題もあろうが、やはり和田・矢野が抜けたのが痛かった。そして、その穴を埋める人材がいない。 塩谷、田中、(それから一応星野)は頑張ったが、浜中、北川は期待外れもいいところだった。昨年ファームの日本選手権で 浜中と同じく4番を打っていたスワローズの岩村は今季二桁本塁打を達成しているというのに、この差は なんなのだろう?野手だけではない。川尻、中込が二軍に落ち、メイが帰国して、誰がその穴を埋めたのか? 昨年、後半戦は先発ローテ入りしていた井上、山村は今季遂に一度も一軍マウンドに立つことはなかった。 若手が育ってこない。今岡の絶不調ぶりを観てそれを痛感する。「大改革が必要」と野村監督は言うが、 それは「血の粛清」を意味するのだろうか?
・来季への光はあるのか?
来季への光、という点においては昨年の方があったのではないか、とさえ思ってしまう程、今季は若手が 酷かった。昨年は坪井、今岡、井上、山村といたのだが、今季は田中、塩谷、福原くらいで、しかも 塩谷は来季以降どういうふうに使ってどんな選手になってもらうのか、具体的なプランが思い浮かばない。 福原は先発に転向するのか、抑えでいくのか。さらに年をとる和田と伊藤に来季もこれまでと同等の 活躍を期待するのか。軸がいないからこういった細かいところが実に気になってしまう。来季、5割 勝とうとするならば、今季メイ、リベラであげた7勝を考慮して今季より20も勝ち星を増やさなければ ならない。現有戦力でそれは可能なことなのか?おそらく無理だろう。さっき言った先発3本柱がしっかり すれば話は別だが、川尻、中込はともかく藪はもうどうすればいいのかわからない。信用できない。 ということはやはり助っ人やら何やらの外部からの血が必要なわけで、とどのつまりそれは「バクチ」で ある。我々ファン、そして当事者の野村監督は「確証の無い構想」を、来季も練らなければならないのである。 だが、その「確証の無さ」を、少しでも「確信」に近づけていくことはできる。それはひとえに、フロントの 頑張り次第であり、現有戦力達の意地の見せようにかかっている。