アニメの続きを待てずに原作を購入しまして、遂に最終巻も読みました。
以下ネタバレもあるかもしれない。


前も書きましたが、単行本は海に辿り着いて3年タイムスリップした時に一旦離脱しまして。
しかしアニメのエレンがマーレで巨人化する回で嫁さんに薦められて復帰したのでした。

単行本から離脱したあの時は「どうせ今度は相手側にも正義があったみたいなよくある話になるんやろ」と思って離脱したんですが、それはまぁその通りの展開になってはいたものの、それだけじゃなくてエレンが「得体の知れない何か」になってしまったのがめちゃ巧かった。
それだけで「どうなってしまうのかしら」というただただ引き込まれました。

「お互いの正義」は戦争モノの定番、「世界を一度均してしまう」は20世紀では世紀末モノ、21世紀以降はセカイ系の定番ではありますが、そこに至るまでの過程を徹底的に描いたという点でこの作品は他に類を見ないのではと思ったりもします。
何故エレンがあそこまでする、という考えに至ったのか。人が日常で考えられる範囲などたかが知れている。では世界平和とはどうすれば実現できるのか・・・。
そんなことを想いながら最終巻を楽しみに待っておりました。

で、最終巻の感想なのですが。

まーよく纏めたなーというのが第一印象(何より『ベルセルク』の件があってから「無事に終わって良かった」という気持ちが強い・・・)。
エレンが何故あそこまでしたのか、は「そうかー!!」となりましたし結局あそこまでしたという事実には戦慄しました。

最終的なオチは『銀英伝』とか『ガンダム』とか『エヴァ』とかと比較されるんでしょうけどやっぱりあの動機であの地均しをする、というのを描いたことはホンマにすげぇと思うんすよね。
『銀英伝』のラインハルトも『ガンダム』のザビ家も『エヴァ』のゲンドウ、シンジ君をも越える凄味。

少年は戦いを続ける内に成長・・・などせずにただただ当初の想い「駆逐してやる」を実行し続けた。
何も分からずただただ巻き込まれるだけだった序盤と自らが世界を巻き込むようになった終盤で立場は変わりましたが、それでもその純粋で悪魔のような子供の想いを大人になっても貫いた・・・。
なんつー恐ろしい話なのか・・・(笑。

諌山先生の次回作も楽しみにしています。