今日ももりもり観た。


『万引き家族』
またしてもモヤモヤする終わり方!
是枝監督が描きたいのはそこじゃないんやろうとは思いつつもどうしても書いておきたいことがあるので書いておきますと・・・
・警察がじゅりちゃんを家に帰したのはDVやネグレクト受けてるって分かった上でのことなの??法的にはそうせんとあかんもんなの??にしてもこの部分のオチをハッキリとは描かない(がおそらく改善はされていないであろうという描写はあった)のが何とも意地悪やなぁと思った(笑
・亜紀ちゃんは何故風俗店でお仕事を?フツーのバイトは家出娘には難しいもんなんでしたっけ??
という辺りが引っ掛かっておりまして、ただこれらから察するにそもそも描きたいのは治、信代、祥太、初枝の物語なのであってじゅりちゃんと亜紀ちゃんは本筋では無いんやろなぁと思ったりもした(この4人の物語を強化するための存在)。
樹木希林は当然ながらリリー・フランキーも安藤サクラも「この人実在するんじゃねぇか」と思わせる演技でただただ感心すると共に舞台に近いところに住んでることもあって実際それっぽい人やそういう住居が生活圏内に存在する点でとても身につまされるお話でした。

『ショコラ』
どんな内容なのかも全く存じ上げませんで名作という噂なので観てみようという感じだった&なんとなく『アメリ』のクリームブリュレのポジションにチョコレートが来るくらいの想像で臨んだら全然違う話だった(笑。
この物語のポイントは主人公のヴィアンヌもまた完璧な人間・女神的な存在なのではなくなかなか人と巧く付き合っていけないという悩みを抱えている点だと思った(無垢な女神がやってきて閉鎖的な村を変える話つまり村そのものが主役という物語でも良いところをそうしていないのが人間臭さがより出て良い。無垢な女神でも好きな話なんですが(笑)。
「閉鎖的な村と戦う差別される人々」という下手すると重たくなるテーマを巧くコミカルに描いていて誰が悪いと断罪するような内容でもないのも素晴らしい。

『グランド・ホテル』
『マスカレード・ホテル』を観た流れで観たのですけれども、いわゆる「古い名作」って「当時は凄かったんやろうけど今観るとイマイチ」ってものもあるじゃないですか?これもそうなんやろなと思いつつ観たらめっちゃおもろかった。以前『七人の侍』を観た時と同じ衝撃。
所謂「グランド・ホテル形式」の元祖的作品なわけですが、その方式がちゃんと生きている(綿密に考えられていて今でも通用する)だけでなく、ガイゲルン男爵が盗みを働く必要があるという非日常的設定もあることで話が一気に面白くなっている(これまた今でも通用する)点が素晴らしい。形式を定義しただけやったらそこまで面白いとは思わなかったんやと思いますがいろいろと作りこまれている点が素晴らしい。

『荒野の七人』
この流れだったのでこれまた「古い名作」に手を出したんですが・・・残念ながら『七人の侍』程の衝撃は無く。
「『七人の侍』をベースに西部劇を作った」んやと思ってたんですがネットで得た叡智によると「リメイク」なんですね。まぁ確かに可能な限り西部劇にコンバートしましたという内容でそれはそれで「頑張ってやってるなぁ」と感心した(「古い時代が舞台の作品を現代劇にリメイク」というのはよくあると思いますが「ある国のある時代の話を他の国のある時代にリメイク」はぱっと思いつかない)んですがそれ以上でもそれ以下でも無いなぁという印象。ただこの手のリメイクは全然アリなんでないかという可能性は大いに探って良いのではないかと思った。源平合戦を100年戦争に置き換えるとか(テキトー言ってるので実際可能なのかどうかは知らない(笑)。
七人の侍達のキャラ造形は身分制度や世相を含めての時代背景込みのものなのでそれを西部劇のガンマンにそのまま適用するのは無理なんでしょうけれどもそれ故に七人の侍達の魅力をそのまま再現するのは難しかったのは致し方ないところなんでしょう。
西部劇として考えるとユル・ブリンナーとスティーブ・マックィーンはめちゃかっこええしあと若い頃のチャールズ・ブロンソンもステキで本家『七人の侍』の半分くらいの時間の尺でさくっと観られるのもいいんでしょうね。
リメイクではあるけど別の作品として観るべきものなんでしょう。