ただいま絶賛プレー中の『ときめきメモリアル4』だが、一点、不満がある。不満と言うよりは残念、と言った方が正しいかもしれない。
それは、初代以来久しぶりに訪れる「きらめき市」だというのに、「懐かしさ」を感じさせてくれる場面がほとんど無いことだ。


きらめき高校内部はもちろん、動物園や遊園地やスタジアムや海やといった十数年前に訪れたに違いない場所へ行っても、「懐かしいなぁ」という感覚があまり無い。かろうじて、きらめき中央公園は入り口のところから噴水が見えて・・・と「あのたたずまい」を見せてくれ「懐かしい」と思わせてくれるが、他の場所に関しては今のところそういうことが感じられない。よくよく確認してみると、そもそも初代と同じような構図で描かれている場所はきらめき中央公園だけのように思われる(全部確認したわけではないが)。
設定として「きらめき高校が建て直されている」という点からも製作者側が意図的にそういったものを排除している可能性はあるが、わざわざ「きらめき市」を舞台にした以上、やはり「そこがきらめき市であること」を感じさせて欲しい、という願望はある。しかし、15年も経てば街並みも変わるだろうとも考えられ、それはそれでリアルかもなとも思える。ただ、NHKの『ブラタモリ』ではないが、そこに何かしらの「名残」があっても良いのではないかと思う。ここまで何もかも変わっていると、どれだけ大規模な再開発計画が行われたんだと考えてしまうし、世界征服ロボが暴れ回って街が一度壊滅したのではとか勝手に妄想してしまう。

そういえばシリーズモノのゲームで「かつて(昔の作品で)来た場所を再び訪れる感動」を初めて味わったのは、おそらく『ドラクエII』のアレフガルドだったように思う。『I』から100年経った世界、既にアレフガルドからは幾多の街が消え、残されたのはラダトームと竜王の城のみではあったが、リムルダールなどはそこにあった「名残」が地形として再現されており、それだけで胸が熱くなったものだ。いや、もっと言うなればアレフガルドのあの曲だけでも十二分にプレイヤーの心を揺さぶった気がする。ゲームという電子媒体、架空の世界で「かつてここに来たことがある」という郷愁感、ノスタルジーを味わえるという凄さに、自分は感動すら覚える。

最近、ファミ通のゲーム記事にゲームのジャンルとして「ノスタルジー」と表示していることがある。『ぼくの夏休み』や『サクラノート』などがそうだが、それらはあくまで「プレイヤーが過ごしたかもしれない幼少期」を再現した「仮想ノスタルジー」でしかない。だが、「ゲームの中で実際に行った場所を久しぶりに訪れること」は間違いなく「リアルな郷愁」を誘う。

初代『ときめきメモリアル』の三品プロデューサーは「『ときめきメモリアル』は単なる恋愛SLGではなく、高校を卒業してしまった人が高校生活を懐かしめるような作品である」と語っていた。つまりこのゲームは「ノスタルジー」のジャンルでもある、ということだ。であれば、「きらめき高校へ再び通う」という「ノスタルジー」を味わいたかったという私の願望は、元来の『ときめきメモリアル』の趣旨と大きく外れていないようにも思われる。否、なんならもっと突っ込んで、きらめき高校を卒業してから十数年、同窓会で久々に集まった紐緒さんや虹野さんや片桐さんやと再会してきらめき市の懐かしスポットを訪れながら恋愛する『ときめきメモリアル同窓会』なんてどストレートな作品でもアリなんでないかと思う。運動部のアイドルだった虹野さん、だが皆が牽制しあった結果、誰ともデキずに未だ独身・・・主人公と二人で久々に訪れるきらめき高校の校庭で十数年ぶりに食べる虹弁・・・海外留学しての遠距離恋愛は長く続かなかった片桐さん・・・そのままパリで暮らしていたが、久々に帰国した彼女はきらめき市を主人公と懐かしみながら練り歩く・・・十数年ぶりに訪れたカラオケショップは新装されていたが、あの時歌った「恋はほどほどに」を熱唱し当時を想い出す・・・等々、三十路の男女が繰り広げるラブロマンス!!キャッチフレーズはこれだ!!「恋は遠い日の花火ではない!!」サントリーとタイアップ!!限定版にはサントリーウィスキーオールドの『ときめきメモリアル同窓会』ラベル付きが2本同梱されます!!ひとつは高校時代の彼女達のイラスト!!そしてもうひとつは三十路を過ぎた「今」の彼女達のイラスト!!

・・・何書いてんのか自分でもわけわかんなくなってきたのでそろそろ終わります(ぉ。