哲のアニメ評 あ行
アキハバラ電脳組 2011年の夏休み
AKIRA
ARMITAGE V
ARMITAGE V DUAL MATRIX
R.O.D
R.O.D -THE TV-
EAT−MAN
EAT−MAN'98
ヴァンドレッド
吸血姫美夕
AIR(劇場版)
AIR(TV版)
王立宇宙軍 オネアミスの翼
OVERMAN キングゲイナー
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1982年、東京に新型爆弾が炸裂。第3次世界大戦が勃発した。それから38年、世界は大戦の
惨禍を克服し、新たな繁栄の時を迎えつつあった…が、しかし…ネオ東京では、再び世界を恐怖の
どん底に叩き込む巨大な力が目覚めようとしていた…。
「さんを付けろよデコスケ野郎!!」は人生で一度は言ってみたい台詞ですね(笑
火星進出に成功した人類。人々は火星開発のために人造人間を大量生産したが、やがてそれは多くの失業者を生むことになり、人々は人造人間排他運動を開始する。火星へ転勤となった刑事、ロス・シリバスは火星到着
早々、人気シンガーが殺されるという事件に遭遇する。そのシンガーは「サード」と呼ばれる世代の
アンドロイドだった。犯人のダンクロード(声:中尾隆聖、これ重要(笑)は「サードを皆殺しにする」と
宣言、ロスと火星の女刑事・アミテージはダンクロードを追うことになるが、アミテージには秘密があった。
OVAというよりは映画みたいな感じでした。実際映画版もありますが。人間とロボットの共存、境目、
いろいろ考えさせられる作品。「人間はなんで私達を作ったの!?」と叫ぶシーンが鳥肌。
かなり深いテーマだと思いますが、サイバーパンクでアクションなどもかっこよく娯楽性も高い秀作、
だと思います。(2003/2/18加筆修正)
ARMITAGE V DUAL MATRIX(90分) | 7点 |
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前作から6年、ロスとアミテージは、二人の間の娘・ヨーコと三人で隠遁しながらもごく普通の家庭として
日々を過ごしていた。ある日、反物質プラントで働く「セカンド」世代のアンドロイド達の暴動が起こり、
軍がそれを鎮圧するという事件が起こるが、実はその工場は製造が禁止されているアミテージと同じ
「サード」世代のアンドロイドの製造工場だった。工場のサードからテレパスを受け取ったアミテージは、
真実を知るために、単身地球へと向かうが…。『ARMITAGE V』の続編。アミテージがしっかりお母さんに
なっていたり、それでもかわいかったりかっこよかったりするのがたまらないです(笑。声が変わっているのは
リアルでも6年の歳月が経ってしまったせい、なんでしょうかね?前作が30分の4話だったのに対し、こちらは
90分一本勝負なので、映画っぽさをより意識しているというか、アクション重視な感じはしましたが、
「女のどこに子供を作る力が宿っているか知らないのか?心だよ!!身体だけで子供なんか出来るか!!」
というアミテージのセリフは、アミテージだからこそ言えるし説得力のある台詞だと思いました。(2003/2/18)
命よりも本が大好きな蔵書狂(ピブリオマニア)である読子・リードマン。あまりにも本が好きすぎて、
紙を自在に操ることが出来るようになった彼女は、大英帝国図書館のエージェント「ザ・ペーパー」として
裏の世界で有名だった。そんな彼女の現在の任務は、突如この世に蘇った「世界偉人軍団」と戦うこと。
紙に愛された女の、驚異の紙さばきが今日も炸裂する!?
OVA全三話、ばっちりまとまってて素晴らしい出来です。話、アクション、音楽、各キャラの立ちっぷりなど、
全てにおいてかなりの満足度。OPのかっこよさも秀逸。紙使い能力やダイバー能力など、各キャラの能力を
フルに使い切ったアクションシーンは特に燃えます。アニメ好きなら一度は観とけ、て感じの超秀作、かと。
(2004/9/22)
偉人軍団の事件から数年後。香港で探偵業を営む三姉妹、ミシェール、マギー、アニタは、
サイン会にやってきたかつて天才少女作家と呼ばれた菫川ねねねのボディガードをすることになる。
ねねねの大ファンであるミシェールとマギーは、例によってピブリオマニアかつ紙使い。
あまつさえ本が嫌いなアニタも何故か紙使いというこの三姉妹は、ねねねのボディガードを引き続き
務めるために、日本に滞在することに。そこで三姉妹を待つものは、神保町の本の魔力だった!?
前半はヘタレタ日常と仕事の対比が非常に面白いです。特にアニタの学園生活はもはや『ROD』であることを
忘れただの学園モノな感じで…萌え萌えデスヨ?(笑 後半の展開は、私的には増長な感が。
もちょっと短くまとめてくれれば観やすかったかも。OVAががっしりまとまっていただけに、それと比べると
ちょっと…という感想です。アクションシーンのかっこよさは相変わらずですが。(2004/9/22)
冒険家の主人公、ボルト・クランクが様々な依頼をこなしていくお話。
前半7話はだれるが後半は全部いい話である。
とりあえずボルトがかっこいい。全体的に実に渋くかつかっこいい仕上がりになっていて、いいセンスをしていると思う。
EAT−MANの続編。絵柄がさらにかっこよくなっている。原作に近くなってるのかな?相変わらずボルトは渋い。
ナイスセンスである。中でも『MEGA MIX前・後編』が良かったですな。 「いや」てのが。江原正士さんシブすぎっす。
男だけの星と女だけの星の間で戦争が続いていた。
野郎だけの星の下層階級民のヒビキ・トカイは同じ階級の機械工仲間達の挑発に乗り、
自分達が製造するパワードスーツ(蛮型撲撃機)を強奪しにいくことになってしまうが、
捕らえられてしまう。しかし、乗り込んだ船が女だけの星に襲撃され、
今度は敵の捕虜となってしまうのだった。
一言で言って「惜しい」。キャラも設定もそれなりに良かったのに
「途中で終わっちゃった」感が強い。思い切って2クールいってほしかった。
ちょうど全キャラに感情移入出来始めたところで終わっちゃったっす。
続編希望。男女協力してお互い共通の敵を粉砕しようぜベイベー。
男だけの星と女だけの星の間で繰り広げられている戦争の最中、
ひょんなことから敵の捕虜になってしまった主人公ヒビキら野郎3名。
なんだかんだで敵味方・性別の壁をとっぱらい気味にうまくやってきた
3人の野郎と多勢の女性陣だったが、お互いの故郷に危機が迫っていることを知る。
故郷の危機を救うため、急いで帰路につくが、その途中で
助けた少女がヒビキを「王子様」とか言い出して…。
男女比の圧倒的偏りを設定によってごまかした『ヴァンドレッド』の続編。
というわけで始まった続編。
というか『ヴァンドレッド』全26話の後編とでも言いますか。
序盤から割とシリアス展開で期待通りの面白さでしたが
終盤のシナリオ展開に私はついていけませんでした…。
理解力が下がってんのかな…。
セリフもなんか「くっせー!!」とか思ってしまいました。
ピュアハートはもう私にはありませんか?
まあでもメイアちゃんがかわいくかつかっこよかったのでOKです。
『1・2』合わせてとりあえずオススメ出来る作品だとは思います。
人々を苦しめる妖怪をヴァンパイアである美夕が封印するお話。
問題提議するだけしといて解決できずに終わる話が多く、
ほとんどがバッドエンド。だが、88年のOVA時代から映像、演出、音楽はなかなかのレベルだった。
川井憲次の音楽最高。TVのOPとEDは特に素晴らしかった。
演出面でもそこそこ怖く、ホラーものとしてもいけてたんでないだろうか。
残念なのはテーマが「生きろ、運命から逃げるな」なのに物語上の演出で死んじゃうキャラが多かったことですな。
旅人の国崎往人は、ふらりと寄った街で、夏休みのフィールドワークとして郷土の歴史を調べていた
神尾美鈴と出会う。
旅に出る時に母親から「空にいる少女を救って」と言われていた往人と
病気がちで学校にも行けず孤独に日々を過ごす観鈴。二人の出逢いはまるで、
観鈴の街に伝わる伝承「人を愛すると死んでしまう呪いをかけられた翼人(翼を持つ人間)の姫と、
その護衛の青年との悲恋物語」をそのまま投影したかのように儚い恋物語へと展開していく。
果たして二人を待ち受ける運命は!?keyが誇る大ヒットノベルゲームを『あしたのジョー』の出崎監督が
劇場アニメ化。
「『AIR』ってそんな話やっけ?」と思った方、劇場版はこういう話です!!
原作知らない人は、話がぶつ切りでイマイチ意味が分かんないのでないかと危惧されます。
以下、原作ファンの私的感想です。これは、往人さんの物語なんだと思います。原作では、亡霊に
取り憑かれた妹とそれを守ろうとする姉の姉妹愛、母親から存在を忘れられてしまった娘が逃避した
妄想の世界から現実へ帰ってくる物語、人を愛すると死んでしまう呪いをかけられた娘と
自分を頼ってくれない娘に不安を感じ続けていた母親が本当の親子へと生まれ変わっていく親子愛、
三つの物語に往人さんは「目撃者」として関わるだけですが、劇場版は往人さんが観鈴さんに出逢って
自己革命を起こしていきます。「誰とも関わらない」「誰かを助ける力なぞ自分にはない」そう思ってきた
往人さんが、人を愛し、人のために力になりたいと思うのです。だが、しかし…じゃぁ、その想いは
永遠のものになったかというと…あのオチでは判断出来ず、観鈴さんは無駄死にだったのでないかとすら
思えてきます。TV版が原作を忠実再現している以上、劇場版は違うアプローチとして、往人さんの成長物語に
しようと思ったのでないか、と私は思い、その勇気は買いたいのですが、であれば、往人さんが本当に成長
したのだという姿を観たかったです。原作でその後の晴子さんが立派な「母親」となったことが描かれて
いたように。…とここまではこれでもまだ好意的感想で。最後、俺の本当の思いの丈を。
あまりこのテのゲームをしない俺が『AIR』という作品を大好きである理由、それは、『AIR』がいわゆる
「美少女ゲーム」「エロゲー」と呼ばれるジャンルにおいて、ありがちな(と勝手に私が思ってるだけですが)
「男女の恋愛」ではなく、「家族愛」を描いているところなんです。『AIR』が「様々な家族愛を描いた
物語」であるという認識に異を唱える人はほとんどいないと思います。それが『AIR』が『AIR』たる所以で、
「全年齢対象版」なる凄いバージョンが発売された理由でもあると思っています。
だから、「家族愛をメインに描かない時点で『AIR』である必要性など全くない」と
言い切ります、俺は。他はどうアレンジしたって構わない、この根幹さえ失わなければ。
そう思っていたのに、まさか、そこが崩されているとは夢にも思いませんでした。
特に神尾親子の物語は、家庭崩壊が騒がれる今の社会において、物凄く重要なことを示しているのです。
ロクな教育を施してくれない気の毒な家庭に生まれた子供達が、多分増えているのでしょう、今の世の中。
「子は親を選べない」そんな言葉が至極当たり前に囁かれるようになった昨今、
「命を懸けてでもお母さんを愛するんだ」と決意した観鈴さんの一大決心から、何を読み取るのか?
昔、ある作家さんが「親殺しは犯罪にする必要はない。子は親を選べない以上、それくらいの選択肢は
与えてあげていいと思う」と言ってるインタビューを読んで「そこまでは思わんが、親子なんてその程度の
もんなのかもなぁ」と思ったことがあったんですが、観鈴さんの一大決心は、それを鼻で笑うように
見えました。だから俺は心から泣けたのです、あの「ゴール」に。だから、言いたい。
「恋愛を描いた作品なんてゴマンとあるやろ!!一回あのクソなげぇテキストを全部読んで
出直してこい!!」(2005/3/12)
国崎往人は、人形を操る能力で芸を披露しながら旅をしてきた。
彼が空腹で行き倒れた街で出逢った三人の少女達。古の亡霊に取り憑かれた少女、
母親から存在を忘れられてしまった少女、そして…人を愛すると死んでしまう呪いをかけられた少女。
彼女達と、彼女達の家族と、往人は深く関わっていく。家族とは。幸せとは。夏の終わりに待つものは。
keyの大ヒットノベルゲームをTVアニメ化。
原作再現度の高さに感動せよ!!クオリティの高さに感動せよ!!夏の景色の描きっぷりに感動せよ!!
そして、物語から、家族の絆とか明日へ向かって歩き出すこととかそーゆーことに感動せよ!!
そして感動したら泣け!!神尾観鈴が命を懸けてまで手に入れたものとは!?神尾晴子が悟ったこととは!?
俺はこの作品に出会えてホンマに良かったと思う。(2005/3/27)
世間から落ちこぼれ軍隊と評されているオネアミス王立宇宙軍。その士官であるシロツグ・ラーダットは
宗教の布教活動を行う少女との出逢いをきっかけに、有人人工衛星の打ち上げ計画に参加し、宇宙を
目指すことを決意する。厳しい訓練を乗り越えながら、周りの人間と正面から向き合うようになった
シロツグが成長していく姿を描く。
とりあえず主人公が森本レオっていうのがすんごい良かったです。
人類は、地球環境を守るため、動植物に優しい環境から引き上げ、シベリアなどの
極寒の地に、「ドームポリス」という都市を築き、生きていた。
しかし、その体制に反対し、「ヤーパン」と呼ばれる「夢の大地」を目指す
「エクソダス」を実行しようとする人々も、存在した。ゲームチャンプ少年である
ゲイナー・サンガは、ある日シベリア鉄道警備隊に連行される。
容疑は「エクソダス」。身に覚えのないゲイナーは、留置所で出会ったエクソダス請負人のゲインという
男と脱獄し、オーバーマン・キングゲイナーを奪取し、お姫様を人質にかっさらい、いつの間にか
エクソダスの一員となってしまうのであった。
超面白かったです。120%勢いだけで作ってるかのようなスピーディなシナリオ展開がすんばらしかったです。
それでいて「大人は汚い!!」「汚いから大人なんだよ!!」といったお馴染みの富野節も当然健在で、
さらにサラちゃんはかわいいわアナ姫はかっこいいわアデット先生は面白いはガウリ隊長はいきなり
忍法使うわゲインは渋いわでつーかもう理屈抜きで「おもしれーよこれ!!」と言える作品でした。
観る際に「置いていかれないようにシフトを合わせる」という作業は必要かと思いますが(笑。
とりあえず…過去の富野作品のどれかにハマった人は、絶対観るべし…そう思いました。
それから、多分、お子さんが観てもっていうかお子さんの方が素直に楽しめる作品かなとも思いました。
究極バカ娯楽でありながら、メッセージもちゃんとあったりと…いや、やっぱこんな理屈はいらねー、
富野監督自ら言ってたから、私も言っときましょう、「観て損はしないよ」。(2003/3/23)