娯楽とは、それについて誰かとウダウダ話すとこも含めて娯楽である───以上、序文に代えて。
春アニメ新番組も始まって二話三話というところに来ております。
私は観る予定だった作品のうち『マーズデイブレイク』『MADLAX』は二話で切りました。
この辺の「いつどういうタイミングで切るか」
というラインて人によっていろいろ違うのだろうなぁと思います。
「それがどうかしたか？」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、これは、アニオタには非常に大事なことなのです。
アニメオタクに限らず、ある趣味に必要以上に(笑)知識が通じてしまった人、所謂マニアは、自分に対して、
他人からすればかなりどうでもいい決め事をします。タイガースファンであれば「井川を語る前に
マイク仲田幸司について語ることができなければならない」、サッカーイタリア代表ファンであれば
「デル・ピエロを語る前にロベルト・バッジョを語ることができなければならない」といった風に。
所有知識による「己がマニアであることの自負または優越感」はマニア道には大事なことなのである。
そして、アニメオタクの場合、切った作品が実は面白かったり人気作品になったりして観てた人から
「えぇ、アレ観てなかったんスか？」と言われるのは、結構屈辱なのである。
しかし、一日は24時間しかあらず、全てのアニメをチェックすることは
通常人間には不可能なのである。そこで大事になってくるのが「この作品は多分観なくても大丈夫だろう」
と見切るタイミングなわけである。…なんか偉そうだな。ちょと文体を変えて。
この「見切りのタイミング」は、ざっと想像すると以下のようになると思われます。
男らしく一話でバッサリ決めちゃう人、「何話まで」と決めて
それまでは観る人、観ると決めたからには最後まで観る人、
何かポイントがあってそこ如何で決める人などなど。
「一話でバッサリ決めちゃう人」は「面白いか面白くないか」という
分かり易い一点のみで作品と勝負をしている人でしょうか。
「何話で決める人」は熟練者もしくは熟練者を気取っている人(笑)で、
「物語ってのは序盤はこういうもんだ」と経験から
ある程度作品との付き合い方を決める人でしょうか。
「最後まで観る人」は「感想述べたいなら全部観ないとダメ」という
当然と言えば当然な意見をお持ちの人でしょうか。
「ポイントを決めて観る人」は何かテーマを決めて作品と
お付き合いする人でしょうか。
ちなみに今期の私は「一話でバッサリ決める人」と「二話で決める人」
の間の人でした。「まぁ、一話は説明みたいなとこもあるし…」と
思い二話を観てみたが、結局掴まれなかったので観るの止めたて
感じです。「今期の」と表現したのは、基本的に私は
「感想述べたいなら全部観ないとダメ」派だからなのですが、
春の新番組はプロ野球中継視聴による絶対的時間不足から、
取捨選択を早めに行わざるをえないからですね。そういえば
「ポイントを決めて観る」という点では、こないだ『鋼の錬金術師』で
タッカーが生きてた時点で観るのを止めた、ということがありました。
あんまり意識していなかったのですが、私にとって
例のニーナの話は『ハガレン』の大きなポイントだったのだな、と思います
(切る理由を探していたという説もありますが(笑)。
多分これが一番いいパターンで、「観てなかったんスか？」と訊かれても「いや、あれはこれこれこういう
理由で観るのを止めたのだよチミ」ともっともらしく言えるから屈辱感も無いと思います。
しかしたかが娯楽に「この作品のポイントはここだからここがこうなったら観るのを止める！！」などと
気張りながら観てもなぁとも思われます。
「感想述べたいなら全部観ないとダメ」というのは作った人からすると一見いいように思えるのかも
しれないですが、このパターンは結局その作品を最後まで気に入らなければ「結局面白くなかったね。
そもそもあそこであれがこうならないのってどうなの？」
などと言い出したりして実は一番嫌なタイプである可能性もなきにしもあらずんば虎児を得ず。
「何話まで」というラインを設定するパターンは、「そもそもそのラインはどういう根拠で
決まってんだよ！！」と突っ込まれること必至。しかしこれは「なんかイマイチだし観るの止めるか…いや、
でも化けるかも…」という悪循環を断ち切るために自らに課したラインであることもまた事実であったりして
難しい。となると漢らしく一話でヴァッサリいってしまった方がいいのではないかと思うが
一話などはそれこそ作品世界の説明が必要であろうこともあり、やむを得ず
面白くないことが多いような気がしなくもない。しかし、そんな第一話を面白くできた作品はやはり
勝者なのではないかとも考えられる。しかし作ってる側だって人間だし面白くない回もあるさ
それがたまたま初回であるかもしれないじゃないか現に開幕四連敗したのに気が付いたら首位に立ってる
チームだってあるじゃないかなどとも思う。…そこで思う。
「やっぱ、アニメの本数、多すぎない？」も少し、アニオタのことも考えて下さいアニメ業界様
(そんなオチでいいのか！？)。
(2004/4/21日記より転載)