中止だったので代わりのネタを。
先日、ベイスターズがパットン先発で大失敗したことからいろいろ議論されていたのを受けての個人的メモ。


まず各用語の整理。

■オープナー
先発を強力なリリーバーが担い試合を穏便に立ち上げたところで本来の先発投手が2番手から登板する戦術。
先発には安定感のあるリリーバーを起用する必要あり。
イニング分担は1-5-1-1-1のイメージ。

■ショートスターター
先発投手に相手打者の2巡目3巡目を投げさず相手打者の目を慣れさせないようにする戦術。
後述の「ブルペンデー」と今後は同義とされていくかもしれない。
イニング分担は3-2-2-1-1のイメージ。
昨季終盤のタイガースがこの戦術で6連勝してCSに滑り込みました。ガルシアパワー。

■ブルペンデー
1試合を本職リリーバーだけで乗り切る戦術。
イニング分担は1か2かで各自分担するイメージ。

■ピギーバック
WBCでお馴染み第2先発戦術。
こんな呼称があることを最近知った(笑。
イニング分担は4-4-1とか4-3-1-1とかのイメージ。
ちゃんとローテーションを組んで「二人で先発投手のイニングを喰う」運用をされるのがポイント。

いやーもういろいろありますなぁ(笑。
用語の整理ができたところで考察と言うかメモへ。

【ベイスターズがあの日やりたかった戦術はどれ?】
まず整理したいのがこれです。
これの鍵になるのはピープルズの存在だと思います。というか今回は何かとピープルズが鍵です。ベイスターズは、本来先発投手のピープルズをジャイアンツ三連戦ではブルペンに入れてました。これはつまり三連戦全体で「ショートスターター」的な戦い方(昨季終盤のタイガースのような戦い方)を考えていたのではと想像します。
実際前日は先発の濱口がイマイチと見るや3回でスイッチしてその後ピープルズを含む3人の投手で0封に成功しています(試合は濱口の3失点が利いて1-3で負け)。因みにこの日の戦術は先程の定義でいくとショートスターターになるでしょうか。
そしてあの日になるのですが。前日にピープルズを使ってしまっているということから考えるとこの日はオープナーではなくブルペンデーとするしかなかったということになりますかしら。

【そもそもNPBにおいてブルペンデーにする意味とは】
というわけであの日はブルペンデーだったと思うんですが。
まずはそもそもMLBでブルペンデーがある理由について超乱暴に説明しておくと、MLBはマイナーオプションの関係で簡単にマイナーとの入替ができないんですよね。なので「今日先発投手おらんから下から上げてきて投げさせようか」という運用が難しいんです。
一方NPBではそんなこたないので、ファームによっぽど人材がおらんというチームじゃなければブルペンデーにする意味は無いんですよね。そしてベイスターズはピープルズもいたしファームにもいい投手がいるので正直ブルペンデーにする意味はあまり無かったのでは?と思ったりします。

【せめてショートスターターかオープナーにすべきだった?】
まーでも大事な首位攻防、これまでの戦績から考えてフツーにやってもなーということで何かしらの策を講じたくなるのは分かります。
であればブルペンデーではなく、先発投手をちゃんと用意して1戦目のようなショートスターターにするかオープナーでいくべきだったんじゃないでしょうか?
またオープナーにするならやはり安定感のあるリリーバーを頭で投げさせる必要があるので少なくともパットンではなかったと思います。

【ショートスターターは勝負所で有効だが基本忘れるべからず】
投手運用面から考えても基本は先発がロングイニングを消化してくれるのが良いに決まっているのでまずはこれを忘れてはいけません。
一方、それでも勝負所で先発投手がこら今日はあきまへんわ、という時にささっと交代させて投手を注ぎ込む戦術が有効なのは昨季終盤のタイガースが証明しました。
投手運用において究極的な目標は
・この試合の失点を小さくすること
・投手をぶっ壊さないこと
の2つに集約されると言って良いと思います。
そのためにはどうすれば良いか、という観点でその時々でどの選択が最適かを考えるのが良い、という当たり前のオチを書いて終わり。