完走。


いやはや、めっちゃ面白かったです。
自分は本格的に朝ドラ観始めたのは『あまちゃん』以降なんですが、これは最高傑作と言っていいかもしれない。
自分が観てきた朝ドラの多くは「主人公の一代記」(朝ドラ習慣のきっかけとなった『あまちゃん』だけが唯一の例外)だったんですが、いやもうすんまへん、ホンマの一代記とはこれやで、と言われた感じでした。

これはひとえに物語のモデルとなった小篠綾子さんの人生が本当に20世紀初頭から21世紀初頭という長い年月に渡ったからであり20世紀を丸々生き抜いて更に21世紀もちょっと垣間見たからであるのは当然なのですが、それを巧く物語に昇華したスタッフやキャストの手腕が素晴らしかったと言わざるを得ません。

自分は間違いなく糸子の人生を全て見届け、そして体感、体験したと言える、そういう時間を過ごしたという実感があります。
説明セリフもBGMも控えめで演技以外での過剰な演出は極力避けられているように感じましたが、それ故にリアルさが生まれ、更にモノローグが糸子本人であった点が「糸子に糸子の人生を見せてもらった」感を生んだんでしょうか。

こっちとしてはたった数か月前のことのハズやのにホンマに「何十年前のことやねん懐かしいわ」と感じられる凄さ。
最近出てきたキャラよりも自分の方が糸子のことを分かっていると思える、糸子とずっと同じ時間を過ごしてきたという実感。
他の朝ドラ同様時間すっ飛ばしはあったにも関わらず、その間の出来事が勝手にこっちの脳内で補完されていたのは飛ばし方が巧かったのか描いた場面の積み重ねの力なのか。

実は放送当時、某けろけろさんにススメられたり自分のTL上では話題になっていたんですが、当時まだ朝ドラ習慣が無かったもので、観てなかったんですよね。ところがうっかり最終回だけ観てしまいまして。「この最終回は面白いな」などと思っていたのと今回再放送が始まるにあたり大好きな星里もちる先生がツイートしていたのを見掛けたことから視聴に至ったんですが、いやぁあの最終回知らんと最初から観たかったわ(笑。

改めて朝ドラランキングとか作ってみちゃうよもう。Wikiに載ってた時代設定が面白かったのでそれも載せます。

1位『カーネーション』1924年(大正13年)~2011年(平成23年)
以上の通り。最高傑作。

2位『あさが来た』1857年(安政4年)~大正
『ごちそうさん』との順位付けが難しいがおディーン様パワーで2位(笑。
実業家・広岡浅子さんがモデルの物語。
初の幕末開始にしてなんと第二次大戦まで行かないという近年では多分珍しい作品。
苦労しない(というか所謂フォーマットとは違う方向の苦労をする)主人公も多分珍しい。
少女漫画ばりのダブル王子制にメロメロ。あさが五代様にコロッと行かないのはそれだけ新次郎さんもええ男やからでんな。
そんな新次郎さんのええ男っぷりによる幼少時代に張られた伏線が物語最終盤で回収される感動。泣く。
『カーネーション』再放送枠の後番組です。

3位 『ごちそうさん』1911年(明治44年)~1947年(昭和22年)
『あまちゃん』の後番組という苦しい状況にも関わらず一切無駄のない展開で『あまちゃん』からの朝ドラ習慣を止めなかった偉大なる作品。森下脚本の力か。
具体的なモデルは無し、ホンマに最後までただの主婦の物語を描いた・・・だけなら多分おもんなかったんでしょうがテーマをとにかく「食」に絞ったのが素晴らしく。とにかく出てくる喰いもんが全部美味そう。NHKの力。食うことは人生である、というのは今放送中の『まんぷく』にも通ずるテーマ。
あと脇役のキャラが濃過ぎ(笑。

4位『あまちゃん』2008年~2012年
この作品が無かったら朝ドラ観るようになっていない。
豪華キャストによるお祭り。
紅白での真・最終回は伝説。
因みに自分は放送当時は東京編から観た後発組でした。頭から観たのは再放送から。
「アイドル目指すとか面白すぎるやんけ」と思って観始めたのでした。

5位『マッサン』1920年(大正9年)~1971年(昭和46年)
ニッカウヰスキーの創業者である竹鶴政孝と外国人の奥様リタさんがモデルの物語。いきなり結婚から始まるのが正に「夫婦の物語」となっていてステキ。
朝ドラは基本的には主人公の苦労を描く作品ではありますが、この作品はもうずーっと苦労しかしてない、のに笑えるのが素晴らしい。羽原さん脚本は『プリキュア』から好きなんですがそういうところが理由なのかなぁと思う。
放送当時自分も仕事でいろいろあって精神的に参ってしまった時だったので想い入れが強い。
最終回手前のラストで号泣しその流れで始まった『あさイチ』でゲストのエリー役のシャーロットはもちろん通訳の人まで号泣してたので大笑いしたのは良い想い出。
主題歌「麦の唄」はいつ聴いても泣ける。

6位『べっぴんさん』1934年(昭和9年)~1984年(昭和59年)
ファミリア創業者の坂野惇子さんがモデルの物語。
前半の畳みかけるような展開は神懸っていたがそこで使い果たして後半はただの惰性に(笑。
前半だけならトップクラスの出来。

7位『花子とアン』1900年(明治33年)~1952年(昭和27年)
『赤毛のアン』翻訳者の村岡花子さんがモデルの物語。
蓮子さんが駆け落ちして美輪明宏の「愛の賛歌」が流れる回で満足して視聴終了(笑。
あの回だけでも伝説。