先の日曜日で最終回でした。


一年間放送するため大河ドラマではどうしても出てきてしまう眠たいだけの無駄話が比較的少ない作品だと思っていたのですが、残念ながら関ヶ原以降の約10話はほとんど蛇足だったと言わざるをえません。そもそも、史実では関ヶ原以降、上杉軍はほとんど出番が無いに等しいのを無理から出番を与えているためか、幸村の見せ場であるハズの大坂の陣も幸村の見せ場はなく、豊臣家は天下人の愛でもって徳川を許すとかいうお話になってしまい、なんだか尻すぼみ(故に幸村が家康を追い詰める展開は無し)。まぁ、兼続を愛と義の主役として描くというコンセプトから考えれば、この展開はありやろうし、秀忠の器量に期待して徳川についたという描き方も悪くは無いと思いますが、だったら37話で景勝の一声で徳川軍追撃をしなかった点をもっと巧く引っ張れば良かったのでは?と思います。あの時追撃しなかったことを理由に徳川から上杉に頭を下げるとか。関ヶ原までは結構楽しめたのに、最後の1クールがちょっと残念やったなぁ。俺の景勝も存在感無くなってしもたし(笑。
いやはや、それくらい、北村一輝の上杉景勝にホンマにメロメロでした。「上杉景勝ってのはホンマにこんな人やったんちゃうか」と思わせられる凄味があった。跡目争いの頃は頼りない坊ちゃんやったのが、回を追う毎に威厳と風格を漂わせるようになり、そして例の37話のあの場面では、そこに上杉景勝が降臨したのではないかと思わされてしまう芝居っぷり。成長していく過程を巧く演じたからこそ、役者と役が一体となっていったのかもしれません。残念ながら直江兼続はいつまでも「妻夫木聡が演じている直江兼続」という印象だったので、終盤景勝の出番ががくっと減ったのも、自分がつまらなくなった理由なのかもしれません。