個人的に今期一番の注目株でしたが、引っ張った割に大きなどんでん返しは無かった印象。手堅い作りで楽しめはしましたが「終わってみれば」とか言われるのはサスペンス物の宿命か(笑。







出演者が皆犯人顔なのは見事な配役
もう少しスピード感が欲しかったかドラマ『トライアングル』佐智さんが亡くなる必要性はあったのか・・・?
誰が為の物語か


こういうサスペンス物はどれだけ視聴者に撒き餌をしつつ美味しいところは最後まで食べさせずに取っておく、というのがずっと観てもらうコツだと思うのですが、そういう点で前半部分はややスピード感に欠けた感じがしました。後半開始辺りから一気に物語が加速したのは見応えがあり、最終話ひとつ手前で揃った状況証拠から犯人がだいたい推測できたのもいい作りだったかと。それでいてもう一歩どんでん返しがあれば更に面白かったかと思います。
物語的には、自分の人生を生き始めた佐智さんが亡くなってしまったのが個人的には物凄く残念。「それでも自分の人生を生きようとしたのだから」とも言えるのかもしれませんが、ちゃんと最後まで生きてもらいたかった気がします。
「時効が来ても罪は消えない」というお話はありがちかもしれませんが、それにより人生を狂わされた人達の物語を描いたという点では、良作だったのではないかと思います。郷田亮二が最後に犯人へ語るシーンは象徴的でした。当の犯人すらも、25年前に自分を見失い犯した罪により人生を狂わせ、その後の人生をほとんど他人の人生として生きていたのだということが分かる辺りはなかなかに唸らされるものがあったかもしれません。