当人同士は思うところありながらも信頼しあっていたものの、周囲がそれを許さず、やがて当人達も腹の中にあったものをさらけ出し相争うように・・・という展開は戦国物においてよくあることな気がしますが、皆がそれぞれ己が大切に想う人のためにととった行動が最終的にそのような展開へと発展していく様は、哀しくもあり面白くもあるのではないかと想います。


こういう展開において必ず出てくるのがマキャベリズム的な家臣で、そのキャラに味があればその作品は成功したも同然と言えるのではないかと思います。本作品の今回のお話で言うと樋口惣右衛門と遠山康光がそこに該当すると思いますが、役者の風貌や普段の役所も相まって「実直に景勝のことを想う惣右衛門」と「職務として主君である景虎のために尽くす遠山」という対比を個人的には感じています。遠山はひょっとすると私欲のためな雰囲気もありますが・・・。
御館の乱は上杉家が衰退していく様としては非常に哀しいものがありますが、この辺の展開はそれはそれで面白く、この中で越後を血で染めたくないという兼続の想いや、これから心中を表に出していくに違いない景虎や景勝がどうなっていくのかもとても楽しみです。
今回のマンダラートテーマは「マキャベリストな家臣」にします。





諸葛亮根本陸夫オーベルシュタイン
張良マキャベリストな家臣マ・クベ
黒田官兵衛ヘイガー


ひとつ思い付かず。君主クラスだと結構思い付くんですが、家臣になると思った程思い付かなかった・・・。諸葛亮は荊州や蜀を奪うことを劉備に再三進言しますが、なかなか劉備は動くことができず、読者をやきもきさせます。劉邦配下の張良は戦場での用兵を専門とする韓信に対して謀略を専門とする絵に描いたようなマキャベリストか。本能寺の変から一気に秀吉を天下人へ押し上げた官兵衛は日本の戦国時代を代表する権謀術数の持ち主。その才能は主君の秀吉をも恐れさせました。オーベルシュタインは架空戦記を代表するマキャベリストキャラなんでないでしょうか。その冷酷な謀略・作戦立案は他の諸将から嫌われつつも私欲が全く無いところがファンを獲得する要素にもなったりで面白いキャラでした。アニメの声優が塩沢兼人さんだったのもハマリまくってました。マ・クベも塩沢声ですが今想うとオーベルシュタインはマ・クベを意識してたんでしょうかね。ヘイガーは『リヴァイアス』ファンとしては外せないので(笑。
プロ野球でマキャベリスト的な人を考えたんですが、ナベツネは君主になってしまうし、のむさんや仙一も監督だしそもそもちょっとマキャベリズムとは外れるかなと思い、難しかったです。根本さんは監督やっててもオーナー付き相談役と言うか今で言うGMのイメージが強く、OKかなと。超人気選手の田淵←→真弓のトレードや秋山他←→佐々木他のトレードなどをほぼ密室で自球団の周りの人間にすら語らずに遂行したということで、寝技の根本とか言われてました。かっこええ。これらのトレードがまた両チームにいい結果を招いているのも、素晴らしいことやなぁ。